ヤクルト・高橋奎二「こいつができたら俺もできる、頑張ろうという思いになる」 燕投を支える〝97年組〟の切磋琢磨
【球界ここだけの話】 相撲界では昭和28(1953)年生まれの北の湖、二代目若乃花らが「花のニッパチ組」と称された。アイドル界では1982年にデビューした早見優、松本伊代らが「花の82年組」と呼ばれた。どこの世界でも同世代に逸材がそろい、切磋琢磨(せっさたくま)し合うことがあるが、ヤクルトにも注目の学年がある。1997年度生まれのメンバーだ。 【写真】1997年度生まれ…初戦の先発を務める吉村貢司郎投手 チームは23日の広島戦(神宮)から9連戦が予定される中、初戦の先発は吉村貢司郎投手が務める。24日は小沢怜史投手、25日は高橋奎二投手の先発が見込まれ、97年4月-98年3月に生まれた〝97年組〟の3人が同カードにそろった。高橋奎は「3人で勝ちたい。勝てたらいいなと思う」と思い描く。 高橋奎にとって同学年は「仲間でありライバルでもある」存在だ。2月の沖縄・浦添キャンプ中には〝97年組〟の食事会が開かれた。チームの97年度生まれは他に大西広樹投手、ロドリゲス投手、3月31日に支配下選手登録を勝ち取った岩田幸宏外野手がおり、高橋奎は「全員そろうことがあんまりないので、いるメンバーで同級生会をします。(2月は1軍キャンプに参加した)大西、怜史、吉村といきました」と明かす。テーブルを囲み、世間話や昔話などに花を咲かせた。 グラウンドに出れば、野球の技術について助言し合う。ライバルでもあるが、高橋奎は「普通に同級生が活躍するとうれしくないですか」と笑う。 先発陣でいえば、高橋奎は京都・龍谷大平安高2年の2014年に選抜大会で優勝。高校時代から注目を浴びてきた。吉村はドラフト会議で2度の指名漏れを経験。東京・日大豊山高、国学院大を経て、プロ入りを目指して社会人の東芝でも腕を磨いた。小沢は静岡・日大三島高から入団したソフトバンクで戦力外通告を受けた。ヤクルトで育成として再出発し、はい上がった。本格派の左腕、右腕に、右横手投げと投げ方もさまざま。三者三様の野球人生を歩んできたメンバーが、ヤクルトで一つになりローテーションを守っている。 高橋奎は「こいつ(同学年)ができたら俺もできる、頑張ろうという思いになる」。働き盛りの26歳。「花の-」と呼ばれるヤクルトを代表する世代へ。切磋琢磨する〝97年組〟が燕投を引っ張る。(武田千怜)