ゲーミングスマホ「ROG Phone 8」レビュー:性能は最高峰、でも威張らず“普段使い◯”万人にオススメの有力候補
ゲームプレイをサポートする機能
弊誌では過去にもROG Phoneシリーズを取り上げており、その際には「すべてがゲームの快適なプレイをサポートするために設計されている」と紹介していた。今回もその系譜を受け継ぎ、通常のスマホにはない、ゲームプレイヤーにとって魅力的な機能が用意されている。 そのうち最も特筆すべきは、本体側面の両端に搭載されているトリガーボタン。スマホゲームは画面をタッチするという都合上、操作性においてコントローラに見劣りする部分もあるため、多くのゲーミングスマホでも外部にトリガーボタンを配置する事例があり、本製品もその一つ。 しかし、本製品は物理ボタンではなくセンサによる凹凸のない機能を採用している。本体右側面の両端に配置された感圧センサが利用者の入力を認識し、振動を通じて擬似的な押下フィードバックを提供する方式で、トリガーボタンは各種ゲームにおいてタッチ操作を割り当てることができる。また、先の空冷ファンの割り当てや、傾き検知によるトリガーも対応しており、幅広い操作のエミュレートが可能になっている。 このほかにも、低遅延が求められるFPSやリズム系ゲームのプレイヤーのために、スマホでは絶滅寸前の3.5mm有線イヤホンジャックもしっかり搭載されているほか、横持ちで充電しながらも快適にゲームをプレイできるように、本体底面の充電用USB-C端子は中央ではなく左側に寄せられているなど、行き届いた配慮も。 ちなみに、本体や空冷ファンはゲーミング製品ならではの光る仕様になっており、自由に調整もできるが、装飾は上位モデルよりやや落ち着いた印象になっている。
「あと一歩」が叶った普段使いできるスマホに
そして、前モデルからの大きな違いに挙げられるのが「普段使いできるスマホ」としての完成度が高まったという点。過去機種も使用したことのある筆者の私見として、これまでが普段使いに適さないという訳ではないが「あと一歩…!」と感じる場面も複数見られた。 その一つがモバイルSuicaをはじめとした「おサイフケータイ」の有無。都市圏に住んでいると何かと便利なおサイフケータイだが、これは日本独自の機能であり、海外メーカーが国内発売をする際には都度の仕様変更を行わないといけない。ゲーミングスマホの市場自体が小さかったが故に、実装コストとの兼ね合いで長らくの実装が叶っていなかったが、ROG Phone 8から搭載されたことで、普段使いできるゲーミングスマホとしての魅力がより高まった。 また、おサイフケータイと同じく、新たにQi規格によるワイヤレス充電にも対応。ゲームプレイ時に並行した充電となると、どうしても給電速度の都合で非力ではなるが、こちらも「必要派」の方々にとっては有力な乗り換え候補になるかもしれない。 最後に、性能測定のために行ったベンチマークテストの結果を共有すると、以下の通りだった。同じSoCを搭載したXiaomi 14 Ultraでは約200万点台強であったことから、メモリ容量や効果的な排熱が好影響を与えていそうだ。 ※Antutu Benchmark V10 1回目:総合2,183,524(40.4℃) 2回目:総合2,156,549(43.2℃) 3回目(空冷ファンあり):総合2,207,992(38℃)
オタク総研編集部