青山なぎさがデビュー曲「解放」で表現する"本当の気持ち"「幅広いジャンルの楽曲を歌っていきたい」
TVアニメ「ラブライブ!スーパースター!!」の葉月 恋役や「めざましテレビ」のイマドキガール、5月18日より上演されているミュージカル「ナビレラ -それでも蝶は舞う-」のヘジン役など、様々なフィールドで活躍している声優の青山なぎさ。 【写真を見る】配信シングル「解放」についてインタビューに答える青山なぎさ 5月16日(木)にはアーティスト活動の始動を発表し、配信シングル「解放」をリリースした。同作は楽曲、MV、衣装などをセルフプロデュースしており、青山の思いが詰まった楽曲となっている。 今回は「BIRTHDAY FAN MEETING 2024」を終えたばかりの青山にインタビューを行い、イベントの感想やアーティストデビューへの思い、セルフプロデュースのこだわりなどを聞いた。 ――「BIRTHDAY FAN MEETING 2024」は大盛況でしたね。イベントを終えていかがですか? 「すごく楽しかったです。2年連続でバースデーイベントを開催しているのですが、昨年はBillboard Liveでカバーソングを披露させていただいて、青山なぎさの歌はこんな感じだよというのを皆さんに見せるイベントだったんです。今回はファンミーティングということなので、皆さんと一緒に楽しめるような企画をたくさんやりたいなと思って、全然違うテイストのイベントにしました」 ――ファンの方の愛が伝わってくるイベントでしたね 「やっぱりファンの皆さんが本当に温かったですね。普段から自分も一緒にイベントを作るんだという気持ちでイベントに来てくださる方が多いので、皆さんが楽しんでくださっているのを見て、私もすごく元気をもらいました。私だけではこういった楽しいイベントは作れないので、本当に応援してくださっている皆さんのおかげで素敵なイベントになったなと思います」 ――青山さんにとってファンの方の存在は大きいですか? 「そうですね。もちろん、声優やミュージカルといった表現への欲もあるんですけど、何よりも応援してくださっている方に恩返しがしたいという気持ちが強いんです。皆さんが喜んでくださっている姿を見て、やってよかったなと思うことが多いので、本当に皆さんからの言葉には励まされています」 ――ここまでファンとの距離感が近いイベントは中々ないですよね 「確かにそうかもしれないですね。でも、この距離感でお話できるのも、やっぱり皆さんがちゃんとマナーを守ってくださって、思いやりを持って会場に来てくださるからこそできることかなって思っていて。これがちょっとのことで大変な揉め事になってしまったら、こういった近い距離感でのイベントは絶対にできないことなので、本当に皆さんの気遣いだったり思いやりがあるからこそできているなと改めて感じました」 ――来年以降、こういうイベントをやりたいという構想はありますか? 「やっぱり距離感が近いイベントは大切にしたいなと思っていて。今回は海外からいらっしゃってくれた方もたくさんいたので、その場の雰囲気で楽しめるような、お笑いみたいなものができたらいいなと思っています」 ――5月16日にアーティスト活動の始動が発表されましたが、デビューが決まった今の心境を聞かせてください 「ずっとキャラクターを背負って歌うことはやってきたのですが、青山なぎさ自身としてやることはあまり機会がなかったので、すごく新鮮な気持ちで挑戦することができました。スタッフさんや事務所の方と話していくうちに、『あ、ついに始まるんだ』ということを実感して本当に嬉しかったです。青山なぎさを表現できる場所って声優としては中々ないので、ここで私のやりたい音楽性はこういうことだぞとか、伝えたいメッセージはこういうことなんだというのを歌として届けられるのが今から楽しみです」 ――青山さんは大学時代にはミュージカルサークルとアカペラサークルにも入っていたと思うのですが、元々ソロデビューへの憧れはあったのでしょうか? 「声優としてデビューしたばかりの時は全く考えていなかったです。ずっと生のお芝居をやりたいなと思っていたので、正直曲を作ろうとかそういう思いはなかったんですけど、2023年のバースデーイベントでカバー曲やらせていただいた時に、生バンドでの演奏付きで歌うことが本当に楽しくて。こうやって歌の楽しさを皆さんに伝えていけたり、自分の思っていることを皆さんに届けられるのは楽しいことなんだと気づいて、アーティストとして活動したいと思うようになりました」 ――青山さんの歌声はこれまでも反響がありましたよね。ファンの方はようやくという気持ちが強いと思います 「そうですね......ありがたいことに(笑)。それこそ『ラブライブ!スーパースター!!』の葉月 恋ちゃんとか『SYNDUALITY Noir』のシエルの歌声はどちらかというと綺麗系で上品な感じなんですけど、私自身の歌声は綺麗に歌い上げるよりも、太く強くみたいな方が得意なんです。ただ役者として活動していると自分の本当の歌い方ってなんだろうと分かんなくなってしまって。その時に大学の頃のアカペラサークルの映像とか見返すと歌い方が全然違うことに気づいて、そこから自分の素の歌い方を研究するようになりました」 ――第1弾の楽曲「解放」では、それこそ青山さんらしい力強い歌声を聞くことができますね 「今まではキャラクターを背負って舞台に立ったり、ステージに立つことが多かったので、いろんなことに配慮しながら言葉を選んできたんです。だから、自分の中で本当にやりたいことや自分の気持ちを自分の言葉として出したことがあまりなくて。オブラートに包んでみたりとか、当たり障りのない言葉で伝えることが多かったんですけど、歌ならば本当の気持ちをそのままぶつけた方が、聴いてくださる方の心に響くんじゃないかと思って、今回は自分の気持ちを包み隠さずに書きました」 ――今回の歌詞はどのようなことをテーマにしているのでしょうか? 「デビューする前のこの業界で輝きたいんだというまっすぐな気持ちと、声優として活動したばかりの頃にいろんな葛藤の中でもがいていた姿を今回は赤裸々に描いてみました」 ――初めての作詞は大変でしたか? 「最初は大変なんだろうなと思っていたんですけど、想像以上にスラスラ書けました。言葉が出てこないんじゃなくて、逆に言葉がたくさん浮かんできてしまって、指定された歌詞の分量に収めることが大変でしたね」 ――ちなみに、歌詞はどういう環境で思いつくことが多かったですか? 「私に場合は夜中に布団の中で書いていました。実家暮らしということもあって、日中は生活音があるので、寝静まった夜中の2時とかに寝転がりながらスマホでイヤホンを両耳にして、音源を聞きながら書き連ねていました。そしてある程度形になった時点でお風呂に行って、湯船の中に浸かりながら、楽曲に言葉を当てはめて整える作業をしていましたね」 ――期間としてはどのくらいで書き上げたんですか? 「『解放』という曲は私が最初にやりたいと思った曲だったので、書きやすかったというのもあると思うんですけど、2日ぐらいで全部書き終えました。そこから大体1週間ぐらいで完成まで仕上げましたね」 ――今回は作詞だけではなく、MVや衣装などもプロデュースされていますが、それぞれのこだわりを教えてください 「今回で初めていろんな意見を言わせていただきました。衣装に関してはもうちょっと胸元のレースの部分は大人っぽくしたいとか、生地に関しても最初にフィッティングがあったんですけど、こっちの生地よりももっとサテンのツルツルした生地の方が上品な雰囲気が出るので、色味も少し暗めにしてほしいとか、裾のスカートの裾の長さも、もう少し上の方が華やかさ、回った時の華やかさが出るので長さを変えてほしいとか、リボンも最初は可愛い系のリボンをつけていただいたんですけど、本番が始まる直前に急遽かっこいいリボンに変えていただいたりとか、周りのスタッフさんに色々とご迷惑おかけしながら作っていきました。そのぐらい一つひとつに抜け目なくと言いますか、絶対にいい作品を作るんだという気持ちでプロデュースしました」 ――MVはどのようなイメージで撮影されたんですか? 「今回は普段の青山なぎさよりも強い芯を持った女性を描きたいなと思っていて、そのために髪色も赤にしまして......。地毛の長さよりも長いエクステをつけてやったんですけど、やっぱりメイクとか衣装とか、髪の毛って自分を強くする殻みたいな役目も果たしてくれるのかなと思っていたので、髪の毛だけではなく衣装も大好きなワインレッドのカラーでまとめました。私のこだわりがギュッと詰まったMVになっているので、たくさん観ていただけると嬉しいです!」 ――今のお話を聞いていると、青山さんはご自身で何かを手がけることが好きなのかな、と 「今回自分でプロデュースしてみて、自分って色々考えることが好きなんだなって気づきました。1本のそれこそ映画みたいな感じで、このシーンはこの服を着て、こういう表情して、ここでちょっとくるっと回転して自分の感情を出してみたりとか、そういうのを考える時間が本当に楽しくて。MV撮影の日はあっという間でしたね」 ――最後にアーティストとしての目標を教えてください 「まずは青山なぎさ自身でリリースさせていただくので、私が歌いたい楽曲はこういうことなんだとか、こういうことを伝えたいんだなというのを皆さんに感じ取っていただけたら嬉しいなと思っています。今回は強い女性と本当の私をテーマにしているんですけど、これからは応援してくださっている方への感謝の気持ちを皆さんに伝えていきたいなと思っているので、幅広いジャンルの楽曲を歌っていきたいです」 取材・文=川崎龍也
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