「変形性関節症」になりやすい人の特徴はご存じですか? 症状・対処法も医師が解説!
変形性関節症でも運動するの? 整形外科医が解説!
編集部: 関節が痛くても運動した方がいいのですか? 田中先生: もちろん痛みが出ない範囲にはなりますが、筋肉をつけるための運動をおこなうことをおすすめします。筋肉がつけば関節にかかる負担を減らすことができますし、関節を動かすことで血流が良くなり、関節液が軟骨に吸収されるので栄養が届きやすくなるからです。例えば当院であれば、膝の変形性関節症に対して、内転筋や大腿四頭筋、腹筋や骨盤底筋群のトレーニングを指導しています。 編集部: 運動が有効なのですね。 田中先生: しかし、ただやればいいというわけではありません。適度なウォーキング程度であれば問題ありませんが、筋トレなどを自己流でおこなうと関節に余計な負担がかかるリスクもあります。大事なのは痛くない運動からはじめ、徐々に負荷を上げていくことです。できれば一度、理学療法士などの専門家から指導を受けてから運動することをおすすめします。 編集部: 関節に負担のかかりにくい運動を教えてもらうのですね。 田中先生: それだけでなく、筋肉のバランスには個人差がありますし、関節に負担のかかりやすい生活動作や生活環境で過ごしている場合は、そちらに対しても個別のアドバイスがもらえると思います。初期のうちに対応すれば、進行を食い止めることができるのです。 編集部: 最後に、読者へのメッセージをお願いします。 田中先生: 運動には様々な効果があり、今回解説した変形性関節症だけではなく、ほかの慢性疾患の発症・進行予防にもなります。繰り返しになりますが、ただやればいいというわけではないので、特に痛みのあるケースなどは自己流ではなく一度専門家の指導のもとで運動することをおすすめします。1人でも生涯手術を必要としない人が増えることを切に願っています。人生100年時代、「何歳になっても、今が一番幸せ」と思える人生を応援しています。
編集部まとめ
今回は、変形性関節症の症状や進行を予防する方法などについて解説していただきました。筋力低下を防いだり、血流を良くしたりする意味でも、適切に運動することが重要とのことでした。ただし、自己流でおこなうと怪我や症状の悪化の原因にもなりかねないので、医療機関や専門家から指導を受けたうえで取り組んでみてください。
【この記事の監修医師】
田中 秀 先生(田中整形外科医院) 久留米大学医学部卒業。医学博士。日本整形外科学会整形外科専門医・認定リウマチ医・認定スポーツ医・認定リハビリテーション医、日本抗加齢医学会専門医。