災害ボランティアセンター設置で協定 三重・松阪市と社協
発災時のボランティア支援や派遣、迅速対応
三重県松阪市と市社会福祉協議会(中森弘幸会長)は28日午前11時半から市役所で、巨大地震などの大規模災害に備え、被災地でのボランティア活動を円滑に進めるための拠点「市災害ボランティアセンター」の設置や運営などに関する協定を締結した。発災時に両者が連携して設置し、全国各地から受け入れる災害ボランティアの支援や、地域への派遣を円滑に行うためそれぞれが担う役割などを確認した。 市では2022(令和4)年3月、発災時に支援物資や他の自治体からの応援職員、ボランティアの受け入れ方法などをまとめた「市受援計画」を策定した。これは全国各地で大規模災害発生時に物資や人的支援が被災者に迅速に届きにくいといった教訓を踏まえた対応だった。 また1月の能登半島地震など全国各地で災害が発生する中、企業や団体、NPO法人などによる被災地を支援するボランティアの輪も拡大していることなどから、被災地でのボランティアのコーディネートを担う災害ボランティアセンターの役割もより重要になってきているという。 市や社協では、これまで被災地へ職員を派遣した経験から、個人ボランティアの登録を受け付け、被災者の要望(ニーズ)と個人ボランティアの調整を行い、両者をつなぐ仕組みを整える必要があると判断。それぞれの役割などの協議を重ねてきた。 今回の協定は、市地域防災計画に基づいて実施する災害緊急対応活動としてのセンター設置と、ボランティア活動を円滑に行うための市と社協それぞれの役割と協力事項、費用負担、被災者の効果的な支援を行うために必要な情報共有、平常時における体制整備など16項目を盛り込んでいる。 この日は、中森会長をはじめ市社協5人が市役所を訪れ、竹上市長と中森会長がそれぞれの協定書に署名押印し協定を締結した。 竹上市長は「大規模災害時には災害ボランティアセンターの設置や運営によって被災地への人的支援が左右されるので、これからも迅速な対応ができるように協力をよろしくお願いします」と求め、中森会長は「全国的なネットワークを持つ社協の利点を生かし、平時からしっかり備え被災者のために社協としての役割を果たしたい」と述べた。