「毅然と対応」 成田空港がカスハラ対策を発表 空港で全国初
カスタマーハラスメント(カスハラ)から従業員らを守るため、成田国際空港会社は「成田空港におけるカスタマーハラスメントに対する基本方針」を策定したと発表した。同社によると、空港でカスハラへの基本方針を作成する試みは全国で初めて。 【写真】「録音禁止です」 自治体の案内板 テナント企業からの要望を受けて、同社や同空港内の事業所で構成する「成田空港CS協議会」が定めた。 基本方針ではカスハラについて「スタッフの就労環境を物理的または心理的に害される行為の全て」などと定義。「度を超えた要求にはこの方針に従って毅然(きぜん)とした対応をする」とした。 具体例として9項目を列挙。「大声、暴言、侮辱、誹謗(ひぼう)中傷、差別的発言等」の項目では「職種による差別や容姿をやゆする侮辱的な言動」などとそれぞれ事例を示した。 同社によると、同空港で週に数件、カスハラが発生。中には、本人とは無関係にもかかわらず長時間、従業員を叱責した揚げ句、飛行機に乗り遅れたとして弁償を求めてきた事例もあるという。同社の田村明比古社長は「心理的な安心感の中でサービスができるスタッフがいる現場は、お客様にとってもよいサービスができる。両方にとってプラスになると期待している」と話した。【合田月美】