花村想太&セントチヒロ・チッチが明かす『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』歌曲への共感!「涙を堪えながらセリフを入れた」
「チャーリーとチョコレート工場」で有名な工場長、ウィリー・ウォンカ。夢見ることを禁じられた町で、若き日のウォンカが亡き母と交わした「世界一おいしいチョコレートの店を作る」という夢を追う姿を描く『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』が公開中だ。11月20日に開催されたマジカル・チョコレート・ナイトには、来日したウィリー・ウォンカ役のティモシー・シャラメ、ウンパルンパ役のヒュー・グラント、ポール・キング監督らが吹替キャストと共に、公開を前に大きな盛り上がりを見せた。 【写真を見る】アフレコではお互いの”声”に支えられたと笑顔で語り合う、花村想太&セントチヒロ・チッチを撮り下ろし! 日本語吹替版では、ティモシー・シャラメが演じるウォンカ役をDa-iCEの花村想太が担当し、ケイラ・レーンが演じるウォンカの仲間である少女ヌードル役を、元BiSHのメンバーのセントチヒロ・チッチが務める。アーティストとして活動する2人は、セリフに加えて劇中曲の歌唱も担当する完全吹替版に挑んだ。主演のティモシー・シャラメとのエピソードや、アーティスト同士だからこそわかる歌唱や表現の難しさやこだわり、お互いの声や芝居の印象などを聞いた。 ■「ティモシーさんの声を担当して、直接お会いできるのは限られているはず。ラッキーだと思います」(花村) ――ティモシー・シャラメと一緒に舞台挨拶のステージに登壇した感想を教えてください。 花村想太(以下、花村)「ティモシーさん、かっこよかったです。本当にオーラがすごくて」 セントチヒロ・チッチ(以下、チッチ)「オーラもすごかったし、ティモシーさんを見る皆さんの目のきらめきもすごかったです。なんか自由な感じがするのもいいなって思いました」 ――どんなお話されたでしょうか? 花村「『Nice to meet you!』と声をかけていただいたので、我々は『Me, too!』って言いましたよね?」 チッチ「ティモシーさんから声をかけてくださって」 花村「ありがたいことに」 チッチ「登壇した時も、声をやってくれてうれしいって言ってましたよね?」 花村「世界中にティモシーさんの声を担当している方がたくさんいるなかで、直接お会いできるのは限られているはず。ラッキーだなって思います」 ■「少年らしさと大人の深みもある声を持ち合わせている花村さんの声はピッタリ」(チッチ) ――花村さんはチッチさんの声の美しさに触れていらっしゃいました。チッチさんの声やお芝居で感じたことを教えて下さい。 花村「本当にきれいで純粋な声。普段喋っている時にはちょっと知的な感じもして。気遣いを相手に悟らせないような話し方が、なんかヌードルっぽいなと思っていました。とても気遣いをしているけれど、それを見せない。そんなところがお芝居や歌にも出ていて。声の質のすばらしさはもちろんだけど、その奥に見える本当の知的さというのが一番いいなと感じた部分です」 チッチ「隅々まで褒めてもらっている感じで、とんでもなくうれしいです」 ――チッチさんから見た花村さんの声やお芝居の印象は? チッチ「天は二物を与えたんだなって。昔から歌番組でご一緒することも多くて、声出しの様子から知っていて(笑)。本当に努力もしていらっしゃるし、Da-iCEさんは本番で本物を見せてくれるグループという印象があります。花村さんがウォンカの声をやると聞いて、個人的にもすごく楽しみにしていました。同じアーティスト同士で吹替えができることもうれしくて。初めてウォンカの声を聴いた時、少年らしさと大人の深みもある声を持ち合わせている花村さんの声はピッタリだと思いました。そして歌声ではまた別の魅力で圧巻できる。ずっと圧倒されてばかりでした」 花村「隅々まで褒めていただいて光栄です(笑)」 チッチ「本当にすばらしかったです」 ――イベントでは生歌唱で主題歌「ピュア・イマジネーション」をデュエットで披露されました。とてもステキでした。この楽曲の聴きどころや、アーティスト目線で感じたことなどを教えてください。 花村「一番難しいのは歌い始め。英詞では『Come with me』で始まるところを日本語バージョンは“おいで”と歌います。“一緒に行こうよ”という意味を“おいで”に込める。短い言葉で裏側を潜ませないと届けられない日本語の難しさを改めて痛感しました。かつスタッカート気味、つまり歯切れよくきれいに歌わなければいけない部分で、『Come with me』は一つ一つが単語として成立しているけれど、“お”“い”“で”はそうではない。それをつなげながらもリズムを崩さずにというのはすごく難しかったです。歌詞の意味を伝えながら、リズム的には切らなきゃいけない。難しかったけれどこだわった部分で、一番の魅力になっていると思います。いかに息を抜きながら歌詞の意味を伝えるのかがポイントでした」 チッチ「主題歌が流れるシーンでのアフレコでは、すでに花村さんの歌が入っていたので、グッときちゃって。涙を堪えながらセリフを入れたのをよく覚えています。その時に感じたのが、1曲の中でウォンカが自分に語りかけるように静かに歌いだして、ピアノがのってくるなかで、どんどん広い世界に向かっていく。夢見ることから始まるんだよって、どんどん生きるパワーをみなぎらせていくような歌だなと感じました。花村さんは声でそれを完璧に表現していたし、私自身グッときた楽曲だったので、イベントでの歌唱の時は邪魔をしないようにデュエットするのに必死でした(笑)」 ■「嫌味を言うお芝居は得意かもって思いました(笑)」(チッチ) ――イベントで花村さんは水中でしゃべるシーンなど、アフレコで学んだテクニックを披露されていました。アフレコで感じた声のお芝居の難しさや、手応えを感じているところはありますか? 花村「曲中に早口で説明台詞を言うところは結構好きで、僕に向いていると思いました。普段やっているミュージカルのお芝居の仕方とテンポが似ていて、とても言いやすかったです。ミュージカルはスピーディに進むので、キュッと短いセリフで伝えなければいけないので、結構、説明台詞も多いんです。説明台詞はミュージカルをやってきたからこそ、楽しくできたところかなと思いました。それ以外はほぼすべて難しかったです(笑)。普段なら限られてはいるけれど、セリフも歌も自分でスピードや間が決められます。でも、すでにティモシーさんのお芝居という決まったものがあるなかで、セリフもテンポもズラせない。そんなところは本当に難しさと戦いながらやっていました。口の動きを合わせなきゃいけないのも大変でした。自分らしさはもちろん出せる範囲で出しましたが、基本的にはティモシーさんのお芝居に寄り添うことが大前提なので、本当に難しかったです」 ――チッチさんはいかがですか? チッチ「ヌードルが意外と冷静にお話をする女の子で、すごく頼もしいんです。みんなを引っ張っていくような頭のいい子でしっかりしているけれど少女なので、私の声でどう表現するのかは結構難しかったし、いろいろと考えました。表情と裏腹な表現をするところも大変で。生意気なことを言っている時の表情には声がすごくのりやすくて、やっていてすごく楽しかったです。嫌味を言うお芝居は得意かもって思いました(笑)。同じタイミングで彼女と同じことを思って、同じことを言っているぞみたいな気持ちになって、なんだかヌードルと一つになれている感じがしました。ボイステストの時もそういうシーンをやったので、自分らしくできる自信のあるパートです」 ――アフレコ現場にもチョコレートがたくさんあって食べすぎてしまったというエピソードも。お2人のチョコレートの思い出をお聞かせください。 チッチ「『チャーリーとチョコレート工場』をやっていたころ、ウォンカチョコがめちゃくちゃ流行っていて。でも高級だったから自分のお小遣いでは買えなくて、親に買ってもらっていました。しばらくして販売されなくなったので、復活してほしいなって思っています。ちゃんとゴールデンチケットも入っていて、すごく大きいチョコレートでワクワクしたのを覚えています」 花村「僕はやっぱりバレンタインですね。好きな子からもらえるかどうか、男子にとって大事な行事の一つでした。もらえた年ももらえなかった年もあるので、バレンタインでチョコレートの甘さも苦さも経験した気がします(笑)」 ■「ずっとお仕事が楽しかったらいいなと思います」(花村) ――ウォンカとヌードル以外にも、本作はたくさんのキャラクターが登場しましたが、お気に入りのキャラクターは? 花村「もちろんウォンカが一番好きなんですけど、ウンパルンパも気になっています。ウンパルンパの歌で“プレミアムエコノミーじゃ物足りない”という歌詞があるんです。僕、最近、プレミアムエコノミーでジャカルタに行ったばかりで…。物足りたんですよね、プレミアムエコノミーで(笑)」 チッチ「本当にキャラクターが立っているので、みんな魅力的。ウンパルンパも大好きだけど、動物園の警備員さんがすごく好きです。一番人間らしく感じたし、幸せな姿を見届けられてよかったなと思いました」 ――本作は夢の始まりを描く物語です。お2人のいまの夢を教えてください。 花村「グループとしてはいつかドームツアーができたらというのはずっと言ってきました。僕個人としてはずっとお仕事が楽しかったらいいなと思います。仕事をしていれば楽しいこともつらいこともあるけれど、そんななかで、この仕事を始めた時のように、純粋に音楽が好きで、お芝居が好きで、楽しいと言える日々が続いたらいいなと。最近おじさんになってきたのか、そんなふうに思い始めています(笑)。純粋に楽しいと思える瞬間が減ってきているので、今回のお仕事であのころの想いを取り戻すことができて感謝しています(笑)」 チッチ「私はすごく漠然としているのですが、幸せなおばあちゃんになりたいとずっと思っていて。行き着く先が、幸せでかわいいおばあちゃんだったらいいなって思っています。イケてるおばあちゃんになれるように、毎日自分が好きなことをやる時間を必ず作って、好きなことを追い求めて生きていく。ハッピーな方向を向きながら生きていけたらいいなって思っています」 取材・文/タナカシノブ
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