化石燃料巡り、激しいせめぎ合い COP28延長し協議へ
【ドバイ共同】国連気候変動枠組み条約第28回締約国会議(COP28)は会期末の12日、交渉妥結を目指し厳しい協議を続けた。成果文書に「化石燃料の段階的廃止」を盛り込むことを調整してきたが、一部産油国の強硬な反対を背景に議長案から削除されたため、対立が深刻化。英BBC放送によると、EUの交渉を担うアイルランドの閣僚が合意を拒否して帰国する可能性を示すなど、激しいせめぎ合いが続いた。 議長国のUAEは水面下で各国と調整を継続。会議は延長され、決着が13日になるとの見方が参加国に広がった。 焦点となっているのは、世界の気候変動対策の進捗評価に関する成果文書。各国が今後まとめる35年以降の温室効果ガス削減目標の水準を方向付ける。 11日に示された議長案では、今年が最も暑い年になり、気候変動の悪影響が加速していると懸念を表明。現在の各国の削減目標では気温上昇を1.5度に収めるとのパリ協定の目標に届かないため、25年より前に世界の排出を減少に転じさせ、35年には19年比で60%削減が必要だとした。