福岡県北九州市で起きた中学生男女殺傷事件で、19日に現場近くに住む43歳の男が逮捕されました。元神奈川県警捜査一課長の鳴海達之さんに話を聞きます。 　　　◇ 事件が起きたのは14日でした。福岡県北九州市にあるマクドナルドの店内でした。中学3年生、15歳の男女2人が男に刃物のようなもので刺されました。腹部を刺された中島咲彩さんが失血死、男子中学生は腰のあたりを刺され致命傷になりかねないほどの重傷だといいます。 男は、2人を立て続けに無言で刺して逃走していて、その犯行時間は十数秒だったことがわかっています。

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入院中の男子生徒は「全く知らない人に刺された」と話していて、店や被害者2人の周辺に目立ったトラブルがないことから、警察は“通り魔的な犯行”とみて捜査をしていました。 事件の発生から5日がたった19日、殺人未遂の疑いで逮捕されたのが平原政徳容疑者（43）です。現場から1キロほどの場所に住む男でした。平原容疑者は車で店に来て駐車場で15分ほど待機し、事件直前に入店。犯行後は、すぐに車で逃走したとみられています。 警察の調べに対し「確かにその行為を私はしました」と容疑を認めているということですが、凶器の刃物はまだ押収されていないということです。 　　　　◇ 森圭介キャスター 「ここからは、元神奈川県警捜査一課長の鳴海達之さんに話を聞きます。まず、逮捕された男は現場近くに住む男だったということですが、これについてはどうみているでしょうか？」 元神奈川県警捜査一課長　鳴海達之さん 「今回の事件は、将来のある若い2人を殺傷し、しかも現場周辺に限らず北九州を含む全国的に、大きな衝撃と不安、恐怖を与えた非人間的で卑劣な犯行です」 「犯行現場の駐車場で15分も時間待ちをしている。刃物を携帯して、被害者たちが入店するのを、ずっと待っていたわけですから。これは狙いを絞っていて、しかも、来たらすぐ犯行に及んでやろうという計画的なものでもあります。刺しているところも腹部を狙っていますので、間違いなく計画性と強い殺意があると、私は認めますね」 森キャスター 「通り魔的、かつ計画的だということですか？」 元神奈川県警捜査一課長　鳴海達之さん 「そうです。誰でもよければ、別に15分待っていなくても、レジに並んでいるお客さんをただ狙って刺せばいいわけです。ところが今回は、中学生2人が入店した直後に自分が入店し、レジで並んでいる2人に対して刺すという凶行に及んでいるわけです。ということは、中学生2人を最初からターゲットにしていたとみるべきです。ただ、そこには動機がないので、通り魔的な犯行だと思います」 桐谷美玲キャスター 「今回、逮捕の決め手になったのは防犯カメラの映像だったと警察が明らかにしていますが、具体的にはどのような捜査が行われているのでしょうか」 元神奈川県警捜査一課長　鳴海達之さん 「防犯カメラの映像は、客観的な証拠という意味においては非常に重要なものの一つです。ただ、防犯カメラだけを追いかけているわけではありません」 「捜査においては、防犯カメラを調べあげる班、犯行と同じ時間帯に検問をやりながらドライブレコーダーの情報を提供してもらう班、追跡する班や現場の地取りをする班などがそれぞれ連携し、一つの目的をもって捜査にあたっています。その成果が出るのが、防犯カメラの映像やドライブレコーダーの映像になるわけです」 「その班だけがやったことではなく、ほかの班の協力もあり、もちろん市民の協力もあり、こういう結果につながっています」 森キャスター 「まだ凶器などが見つかっていませんが、今後の捜査のポイントはどんなことでしょうか？」 元神奈川県警捜査一課長　鳴海達之さん 「殺人未遂で逮捕したわけですから、これから取り調べが中心になっていくのとあわせ、未発見の凶器を見つけていかなければいけないと思います」