マーボー豆腐一本で勝負 古着店に就職した岩手出身店主が長野県で専門店を開くまで
長野県諏訪市中心部の複合施設「ポータリー」(諏訪2)にマーボー豆腐専門店「麻婆食堂 どんどん」が15日、オープンする。店主の千葉夏生(なつみ)さん(38)=諏訪市=は近くの古材リサイクル店「リビルディングセンター・ジャパン(リビセン)」に勤務していた頃、従業員のまかないを担当。人気メニューだったマーボー豆腐一本で勝負する。 【写真】マーボー豆腐のセット。料理好きが高じてイベントで出店するほど評判になった
千葉さんは岩手県出身。全国展開する盛岡市の古着店に就職し、新店舗立ち上げに携わった。2016年、リビセン代表の東野唯史さんが改修を手がけた下諏訪町の「マスヤゲストハウス」に宿泊。その際、東野さんが空き家から古材を回収して活用するリサイクル店を開業すると聞いて興味を持った。
「古着店とはまた違うリサイクルの形で面白い」。諏訪市に移住し、リビセンで働き始めた。昨年11月まで約7年間、内装や古材の改修を担当した。
料理好きが高じ、リビセンでは通常業務に加えてスタッフらの昼夕食をまかないを作った。マーボー豆腐は県外のイベントで出店するほど評判になった。帰郷を考えたこともあるが「古き良き店と新しい店がバランス良く存在する諏訪に住み続けたい」と諏訪市内での独立を決意。リビセンの関連会社が手がけるポータリーを出店先に選んだ。
店舗の内装は自ら担当し、カウンター8席とテーブル4席の構え。多彩な料理を提供するよりも話題になるようマーボー豆腐に絞った。「誰もがフラットにおいしさを楽しめるように」とヴィーガン(完全菜食主義者)向けのマーボー豆腐を考案。地元のジビエを活用したり、子どもが楽しめる辛みを抜いたりしたメニューもそろえた。
基本メニューのライス付きマーボー豆腐は税込み1100円。開店で目指すのは地域ににぎわいをつくり出すことだ。千葉さんは「誰もが日常的に訪れることのできる身近な食堂を目指したい」と意気込んでいる。
営業時間は正午0時~午後8時で、月曜、火曜定休。