安保法成立への韓国のジレンマ 朴大統領に新たな懸案?
野党は日本に警鐘鳴らすよう求める
「朝鮮日報」(政治暴走に誰も制御できない日本を見る不安感)、「京郷新聞」(結局、平和憲法を投げ捨てた安倍政権)、「ソウル新聞」(日本は軍国主義に戻るのか)、「韓国経済」(日本68年目に戦争可能な国に復帰)と、多くは安保法案に批判的でした。しかし、中には「中央日報」の社説(集団的自衛権の行使が可能な日本、警戒とともに最大限の活用を)や「東亜日報」の社説(戦争ができるようになった日本、戦略的に対応すべき時)のように「日本の集団的自衛権行使が韓国にプラスになる部分も少なくない」(中央日報)「戦略的に判断すれば、日本の安保法制が北朝鮮の脅威を抑止し、中国の軍事突起を防ぐのに役立つ」(東亜日報)と限定的に評価しているメディアもあります。 野党は朴大統領に国連での演説で日本の軍事大国化に警鐘を鳴らすよう求めていますが、どうやら朴大統領は従軍慰安婦の問題と並んで新たな懸案を抱えてしまったようです。
■辺真一(ぴょん・じんいる) 「コリアレポート」編集長。東京生まれ。明治学院大学(英文科)卒業後、新聞記者を経て、フリージャーナリストへ。 1982年 朝鮮半島問題専門誌「コリア・レポート」創刊。 1986年 テレビ、ラジオで評論活動を開始。 1998年 ラジオ短波「アジアニュース」パーソナリティー。 1999年 参議院朝鮮問題調査会の参考人。 2003年 海上保安庁政策アドバイザー。 2003年 沖縄大学客員教授