フリー演技を何かをつかむように手を伸ばす樋口

＜フィギュアスケート：アクアカップ＞◇30日◇千葉・アクアリンクちば◇シニア女子フリー 　22年北京オリンピック（五輪）団体銀メダルの樋口新葉（23＝ノエビア）が今季の新フリーを披露し、116・32点の2位となった。 　冒頭のダブルアクセル（2回転半）は決めたが、以降は回転不足などのミスも続いた。「ジャンプはいろいろ気になるところはたくさんあるんですけど、それ以外を気にしながら滑れたところが今回初戦にしては良かった」。「Nature Boy」の曲などを使用した新演目の世界観を確認しながらの滑りとなった。 　長期休養からの復帰シーズンだった昨季をへて、「なんで自分がスケートしてるのか、どうして結果を出したいのか。そういうことを考えて、今シーズン試合に臨んだり練習を始めてる」という。再び滑り始めた喜びに満ちた復帰直後から、シーズンを通して結果から得る感情の大きさにも気づいた。「楽しいって思うためにはやっぱり結果を残さないと、自分が面白く思えない」。それが競技者を続ける動機だと考えをまとめた。 　「フワフワした感じで戦っていたのかもしれない」。親友の坂本花織らの戦う姿を見ながら、「自分の目標に向けてできたらではなく、やる。その強い意志が去年はなかった」と振り返る。「なぜ結果を残したいのかを考えているので、全然変わってくるんじゃないかと思います」と言葉に力を込め、新シーズンを滑りだしていく。【阿部健吾】