「オーケー」が大阪に上陸、開店前に“300人行列”の熱気 社長「競合より高ければ値下げ」の気迫
まずは大阪・兵庫に的を絞る
物流面では、高井田店のオープンに向けて商品群や温度帯ごとに取引先の物流網を整備。まずは関西エリアで店舗数を増やすことを優先し、出店の進ちょくに応じて物流体制の見直しを検討するとしている。 人材面では、2024年から関西で正社員の中途採用を開始し、採用した人材は、春頃から関東の店舗で研修を実施。高井田店のオープンとともに関西に戻すという育成プログラムを展開した。パートタイマーについても、多くの応募があるという。 2025年1月には兵庫県の西宮に2号店をオープンする。今後は、大阪と兵庫を中心に出店するドミナント戦略を展開し、関西圏での店舗網を拡大していく考えだ。京都や滋賀など他のエリアについても、条件の合う物件があれば検討していく。 また、高井田店の5階には事務所を設置し、オーケーの大阪における本社拠点として位置付け、関西での店舗展開を支える体制を整えた。 店舗の出店形態は、高井田店のように土地を取得して出店する場合と、商業施設内にテナントとして入る場合の両方を検討している。「スーパーマーケットとしては幅広い出店形態を持っている。関西においても、あらゆる形で店舗を増やしていきたい」(二宮社長)
創業者が逝去、関西への進出
オーケーにとって2024年は、大きな転換点となった。4月に創業者の飯田勧氏が逝去し、創業者なき後の経営という新たな局面に入った。そうした中での関西進出は、同社の次なる一歩となっている。「異なるエリアに出店し、食文化の違いも実感した。関東市場で培ってきたことを関西で客観的に評価いただき、逆に関東でも生かせる要素も発見できた」(二宮社長) これまで関東での出店計画は年間2ケタとしてきたが、上方修正する構えだ。物件についても、出店エリアを増やせる手応えを感じているという。ただし、店舗数の拡大と人材育成のバランスを重視し、持続的な成長に向け、採用・育成面での体制も整えていく。 物価高騰が続く中、小売各社は価格転嫁を進めている。営業経費の上昇も重なっていることから、業界の今後は「企業間の体力差が一層鮮明になる」と二宮社長は指摘する。 今後の課題は、高井田店やこれからオープンする店舗が地域に支持されるかどうかだ。新たな市場で、どこまで存在感を示せるだろうか。 (カワブチカズキ)
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