秋なのに・・・緑が映える庭園や色鮮やかな魚が泳ぐ海 美しい自然の影で進む温暖化 カメラが捉えた30年の変化
記録的な高温となった今年の夏。秋になってもなかなか気温が下がらない日が続きました。自然界で進む「異変」は、木々の色づきや海を泳ぐ魚たちにもあらわれています。この30年に起きた変化をカメラが捉えていました。 【写真で見る】30年で起きた「九年庵」の庭園の木々の変化(1995年~2023年)
色づき遅れる庭園 「赤だったら最高なのに」
佐賀県神埼市にある国の名勝「九年庵」。毎年11月15日に一般公開が始まります。 訪れた人 「思ったより紅葉が遅いのかなと思いますけど。もうちょっと紅葉が進んでいるのかなと思いました」 「良いですけど、これが赤だったら最高でしたね」 今年の公開初日は、色づきがまだ十分ではなく緑の葉が残っていました。
30年の記録 緑色が多くなった
RKBでは、この30年、「九年庵」の公開日に庭園の木々を撮影してきました。1995年~2023年まで、年によって変動もありますが、紅葉が進まず、緑の残っている年が多くなり徐々に色づく時季が遅くなっていることが分かります。 神埼市商工観光課 執行真知子さん 「以前、冷え込みが早く来た時はもう公開の時はけっこう赤くなっていたんです。ところが今はそこまでないかな。緑がちょっと残っていますよね」
玄界灘に熱帯魚が泳ぐ 産卵も
変化が起きているのは陸上だけではありません。国の天然記念物に指定されている唐津市の「七ツ釜」では… RKB今林隆史記者 「こちら七ツ釜周辺の海にも異変が起きているということです。いったい何が起きているのでしょうか」 潜ってみると海底付近には・・・ RKB今林隆史記者 「イソギンチャクの間から姿を見せているのは熱帯魚のクマノミです」 暖かい海を好み映画の主人公にもなった熱帯魚・クマノミが住み着いていました。 RKBのカメラが玄界灘で最初にクマノミを撮影したのは2004年。2016年にはそのクマノミが唐津市沖で冬に姿を消さず越冬していたことが確認されました。今では玄界灘で産卵して成長する世代交代を繰り返しています。 唐津市沖でクマノミが最初に見つかったのは馬渡島。対馬暖流に乗るように隣の松島でも見られるようになり、ついに去年、本土側の七ツ釜まで生息域を拡大したのです。