心静かに聞き、楽しむ 全国でも珍しい高校の香道部 松本深志高で同窓会の集い
長野県松本市の松本深志高校香道(こうどう)部の同窓会は28日、同校近くの深志教育会館で、年1回の集いを催した。香道は香木をたいて香りを楽しむ芸道。総会に続く「組香(くみこう)席」には卒業生10人と現役部員5人が参加した。漢詩や古典文学などを取り入れ、2種類以上の香をたいて種類の異同を言い当てる「組香」のうち、源氏物語の巻名で答える「源氏香」をした。 【写真】香りを聞く
香道では香りをかぐことを「聞く」と表現する。参加者は、五つの香炉の香りを順番に聞き、どれとどれが同じかを判定した。香炉を鼻の高さまで静かに持ち上げ、注意深く香りを聞いていた。
同窓会によると香道部がある高校は、全国でも珍しい。同部は2002年に発足し、同窓生は130人ほどいるという。卒業生には香道を指導している人もいる。
同窓会副会長の中学校教員、遠藤渓さん(37)=松本市=は「入部当初は香りを言い当てるのが楽しかった。次第に日本の文化とのつながりに興味が広がりのめり込んだ」と話していた。現部長の2年、滝沢莉緒奈さん(17)は香道の魅力を「静かな空間で非日常を体感できるところ」と語った。