「911」に初のハイブリッドモデル 最新型「ポルシェ911カレラ/911カレラGTS」の受注がスタート
モーター搭載で高性能化
ポルシェジャパンは2024年5月28日、最新型「911カレラ」「911カレラGTS」の国内導入を発表。同年5月29日、予約注文の受け付けを開始した。 【写真】新開発のドライブトレインや電動ターボ付きのエンジンなど、ハイブリッド版ポルシェ911のメカニズムを見る(13枚) 今回導入されるのは、911カレラおよび911カレラGTSのアップグレードバージョン。このうち911カレラGTSには、「T-ハイブリッド」と名づけられた“超軽量パフォーマンスハイブリッドシステム”が、公道走行可能な911として初搭載されている。 モータースポーツでの知見を生かし開発したという同システムは、排気量を従来の3リッターから3.6リッターへと拡大した新開発の水平対向エンジン(ボア97mm×ストローク81mm、最高出力485PS、最大トルク570N・m)がベース。 同エンジンにはウエイストゲートを持たない電動ターボチャージャーが搭載されており、ブースト圧を即座に上げられるのが特徴。ターボチャージャーの電気モーターは排出ガスからエネルギーを得るジェネレーターとしても機能し、最大15PSの電力を発生する。 従来モデルはツインターボ仕様だったが、新型のターボはシングル。高電圧システムによりエアコンコンプレッサーを電動で駆動することが可能となりベルト駆動が省略されたため、エンジン全体が大幅にコンパクト化されている。トランスミッションは8段のデュアルクラッチトランスミッション(PDK)で、その内部に永久磁石同期モーターが組み込まれている。 最新型911カレラGTSのシステム最高出力は541PSと、従来型の最高出力に対しては61PSアップ。システム最大トルクは610N・mとなっている。ハイブリッド化を含む車重の重量増は50kgとされ、0-100km/h加速は3.0秒、最高速度は312kmと公表される。 シャシーについては、リアアクスルステアリングが初めて標準化されたのもトピック。可変ダンパーシステム(PASM)を備えたスポーツサスペンションも備わる。ポルシェダイナミックシャシーコントロール(PDCC)アンチロール安定化システムは、ハイブリッドの高電圧システムに統合された。 一方、911カレラについては、従来型ではGTS専用だったターボを2基備えた3リッター水平対向エンジンを搭載する。インタークーラーをエンジン上部のリアリッドグリル直下に配置するなどし、排出ガスの低減とアウトプットの増大を実現。最高出力394PS、最大トルク450N・mを発生する。0-100km/hの加速タイムは4.1秒(スポーツクロノパッケージ仕様車は3.9秒)、最高速度は294km/hで、従来型に対しては0.1秒と1km/hのパフォーマンスアップとなっている。