「野良猫」の殺処分減らし、ふん害や鳴き声迷惑の解消も…高知市の手術費用補助CFが好調
飼い主のいない野良猫の繁殖を防ぎ、殺処分を減らして、排せつ物や鳴き声被害の解消にもつなげようと、高知市は野良猫の不妊・去勢手術費用補助事業の資金を募るクラウドファンディング(CF)を実施している。当初目標の200万円を達成し、「ネクストゴール」として新たに250万円の目標を設定。12月15日まで支援を呼びかけている。(田岡寛久)
CFのプロジェクト名は「猫とニャかよく暮らせるこじゃんと優しいまちを目指して!高知市クラウドファンディング」。市では2014年度から、補助事業を開始し、23年度までに約5400匹に対して補助を実施してきた。現在は市に住民登録があり、野良猫を管理している人に対し、市は1匹あたり雌6000円、雄4000円を補助する。
22年度からは、CFを実施。過去2回は目標の300万円、250万円を上回る寄付があり、23年度は過去最高となる1131匹(雄524匹、雌607匹)に対して補助を行った。
それでも23年度には、離乳前の子猫59匹が殺処分に。12年度の1146匹と比べると20分の1程度にまで減っているが、「庭にフンをされた」「畑や花壇を荒らされた」「車を傷つけられた」といった野良猫に関する相談は絶えず、CFを継続して啓発している。
野良猫の繁殖を防ぐ取り組みは、「Trap(トラップ)=捕獲する」「Neuter(ニューター)=不妊・去勢手術する」「Return(リターン)=元の場所に戻す」の頭文字をとって「TNR」と呼ばれる。
TNRによって子猫が生まれなくなり、発情期やケンカの鳴き声も減り、雄猫が縄張りを主張して周囲にかける尿の臭いも軽減する効果があるという。殺処分の減少だけでなく、交通事故などで命を失う猫も減らすことができ、ひいては人間の生活環境の保全にもつながるとしている。
寄付はふるさと納税の対象で、金額は任意。CFの返礼品はなく、了承すれば市生活食品課のホームページに氏名(ハンドルネーム)が掲載される。問い合わせは同課(088・822・0588)。