今季は極端な“投高打低”…33試合先制し13試合勝ち損ねている中日『先制×逃げ切り』が反転攻勢の絶対条件
◇渋谷真コラム「龍の背に乗って」 ◇22日 中日1-3広島(バンテリン) 前日(21日)の高橋宏VS床田に続いて、メヒアVS大瀬良のマッチアップ。昔から言われてきたように、投手戦に決着をつけるのは「ミスか一発」ということだ。前日はカリステが打ち、この日は末包に打たれた。 ◆中田翔、立浪監督と笑顔のハイタッチ【写真】 2日続けての先制弾イコール決勝点。メヒアも勝負にいった結果なのだが、四球後の被弾は大瀬良相手だと、致命傷となる。何せ彼はノーヒットノーランをはさんで29イニング連続無失点。そして、両リーグの規定投球回数到達者の中で、唯一本塁打を打たれていない。 そんな強さを感じさせるシーンがあった。2点の援護をもらった直後の4回。1死から高橋周に13球粘った末に四球を与えた大瀬良は思わず、天を仰いだ。その様子を見た捕手の会沢は、すぐにタイムを取り、内野手とともにマウンドで集まった。まだ4回。たかが1死一塁。だけど、四球で出した走者。次は細川。表の自軍と重なる状況に念には念を押して「一発厳禁」を確認し合ったのだ。 新井監督は「今日も素晴らしいピッチングでした」と“も”を強調した上で、大瀬良をこうたたえた。 「ウチにも9回を投げて1点を取られないピッチャーがいるんだと。マウンド上で自信にあふれている。打者の懐をどんどん攻めていけている。すぐ大地がやり返してくれましたね」 前日に高橋宏に抑え込まれたことを言いたいのだ。いい投手がいい投球をすれば打たれない。そんな野球の原則は今季は特に顕著である。この日のように先制されると、中日は8勝25敗。マイナス17はセ・リーグ最多ではあるが、打線の反撃力を思えば驚く数字ではない。同じく貧打に苦しむ阪神もマイナス15、首位・広島でさえ10なのだ。 極端な投高打低は今季の特徴だ。それを踏まえれば、低迷の本質は先制された試合の弱さではなく先制した試合の少なさと勝率の低さにある。20勝9敗4分け。先制された試合と同数ではいけない。13度も勝ち損ねているのはもっといただけない。何としても先制し、逃げ切りに全力を尽くす。このふたつは反転攻勢の絶対条件である。
中日スポーツ