47年前の車が実走1.6万キロ? 385台限定シリアルナンバー入り『トヨタセリカLB』に旧車ファン垂涎「いい状態で次の世代につないでいきたい」
2月17日、18日にパシフィコ横浜で開催された日本最大級のクラシックモーターショー『第15回Nostalgic 2days 2024』(ノスタルジック2デイズ)。群馬県の旧車専門店・オートサークルが展示したのは、47年前の旧車とは思えないほど、艶やかで美しいトヨタの名車『セリカLB(リフトバック)2000GT』(RA35)。 【アザーカット】47年前の車とは思えない美しさ…前オーナーの愛が伝わってくる『トヨタセリカLB』内外装全部見せ 「47年前の車ですが、実走1.65万キロ。しかも、改造なしの2オーナー未再生ノーマル車。内装を見ていただければ、状態の良さが分かると思います。約10年前くらいから(その存在を)知っていたんですが、縁あって入庫しました」(同店スタッフ) 旧車のなかでも人気がある『トヨタセリカLB』だが、走行距離の少ないノーマルの美車は極端にタマ数が少ない。しかもこのモデルは、1977年に累計100万台突破を記念して385台限定で発売された貴重な限定車『BLACK LIMITED EDITION』。“ブラックセリカ”の愛称でも親しまれ、ボディにはシリアルナンバーが刻まれている。 「この車は、『051』というシリアルナンバーが刻まれています。まず、数がない車ですからね。それにここまで状態がいいものはもう出てこないと思います」 この車をはじめ、同社が取り扱うのは状態のいいノーマルに近い旧車ばかり。なぜこのような状態のいい車が集まってくるのだろうか? 「当時の雰囲気をそのまま感じてほしいというのが根底にありますね。そもそも社長がいじってある車があんまり好きじゃないんで(笑)。ノーマル車は、タマ数少ないんですけど、それでも社長のネットワーク、つながりで『ああいう車がでたけどどう?』とか、お客さんが直接持ってこられて買い取りするケースもあります。『ここなら(大事にしていた愛車を)つないでくれる』と思っていただけているのならありがたいですね」 昨今のブームもあり、価格が高騰した旧車に目をつけ、高い金額で売るだけ売ってメンテナンスは知らない、という販売店も存在する。そんななか同社では、自社で仕入れて整備を行い、前ユーザーの想いをしっかりつなぐことでユーザーから信頼を得ていく。それが、状態のいい旧車が集まるサイクルのようになっているようだ。とはいえ、昨今の価格高騰には、驚いているという。 「異常なくらいに価格が上がりすぎていますよね。ちょっとおかしいと思うくらい。仕入れもビックリするくらいの金額になっているので、販売価格もそれにならうしかない。もちろん、可能な限り下げたいところではあるんだけど…旧車は、手を入れないといけないので、仕入れただけでは売れない。その分もかかってくるので…。一部の人気車だけじゃなく、そうでなかった車もまとめて『旧車』がさらわれている感じですね」 先述の“ブラックセリカ”は、500万円超のプライスボードが掲げられていた。限定ではなく、走行距離がはるかに多く、この車よりも状態も良くない同時期の『セリカLB』が、中古車サイトで400万円台後半以上の値付けになっており、希少性、状態から考えても良心的と言えるだろう。現に、「本展で初お披露目だったのですが、さっき来られたお客様が、『真剣に購入を考えたい。お店で乗りたい』とおっしゃっていました」と早くも購入希望者が現れたという。 同店が旧車を取り扱う上での思いはひとつ。 「もちろん商売ではあるんですが、発売から何十年も経過したもう作られていない車ですから、なるべくいい状態で残していきたい。そして、次の世代につないでいきたいと思っています」