「我慢の限界」高台寺岡林院、マナー悪化に注意喚起 客連れカメラマンが強行撮影...欄干壊れる被害も
誰かが欄干に寄りかかって壊れた...?
取材に応じた投稿者の青山住職によると、周辺ではレンタル着物らしき装いの観光客と番傘や機材を持ったカメラマンとの同伴姿が増えている。カメラマンたちは大体同じような顔ぶれだという。 先述した欄干の竹は老朽化で元々外れやすく、人が川に落ちないよう「立ち入り禁止」「危険」などと日本語と英語の張り紙をしていたと説明する。参道からの侵入を防ぐため、以前から結界の竹も設置している。 しかし1年ほど前から、参道での撮影時に張り紙が映り込むのを邪魔に思われてか、カメラマンに剥がされるイタチごっこが続いていた。そして今回、経緯は不明だが欄干が壊れた状況だ。 欄干の石柱1本は根本から折れて上部が砕け、間に渡されていた竹は外れ、近くにあったスポットライトは破損した。青山住職は、警察に相談して現場の写真記録などが行われた際、原因について下記のような仮説が出たと話す。 「石柱が隣の建物にぶつかった跡があり、かなり凹んだ状態で残っているので、おそらく(欄干に)もたれかかったか触るかして壁にドーンと石柱ごと倒れた。それを無理やり戻そうとした拍子に反対側へ倒れて上部が砕けたのかなと」 警察からは、故意に壊したのでなければ、被害届の受理は難しいと伝えられたという。ただ、パトロール強化をするとも伝えられたといい、岡林院側でも今後は監視カメラ導入を検討している。
「皆が笑顔で楽しい旅だねと言えるのが1番です」
青山住職は、撮影について「個人で楽しむ分には構わない」と考えており、カメラマンの同伴自体を禁止しているわけではない。例えばこれまで日本のカメラマンはブライダルフォトなどの撮影にあたり自ら許諾を求めてくるケースも多く、理解を示したうえ「占領さえしなければ止めはしなかった」。 先述したような着物姿の観光客に同伴するカメラマンに関しては、檀家やお参りの人たちが通過する時は撮影を中止するよう求めても、基本的に無視されていたと振り返る。 今回の出来事に限らず、東山では普段から食べ歩きのゴミなどが放置されるなど、マナーの悪化が問題になっているとも危機感を表す。青山住職は国にかかわらず相手を尊重する心や、自分なりに文化を理解しようとする必要を説いている。 「オーバーツーリズムを否定しているわけでも、インバウンドを拒否しているわけでもなく、特定の国や人種、誰かを攻撃する意図は全くありません。来る人も受け入れる人も見る人も、皆が笑顔で楽しい旅だねと言えるのが1番です。 皆が笑顔になる道を模索したいですが、そんなことを言ってるわけにもいかないので守るべきところは守らなくてはなと...。来る人が節度を守って、マナーを守ってくれればいいかなと思います」