24日スタート、あなたの会社は? 山あり谷ありの「プレミアムフライデー」
月末金曜日に早めに従業員を退社させて消費を拡大しようという「プレミアムフライデー」が24日から始まります。経団連などが呼びかけて実現した動きで、積極的に取り組む会員企業がある一方、「実施予定はない」「検討中」などと足並みがそろっていません。すでに早期退庁を呼びかけた国は、はしごをはずされた格好で「意気込みを見せて欲しい」と少々おかんむり。定着にむけて山あり谷ありの様相を呈してます。
住友商事は拡大実施
プレミアムフライデーは、毎月末の金曜日に、各企業が従業員に半日の有給休暇取得や終業時間の前倒しを促して旅行や外食、ショッピングなどに使える時間を作り出すことで、個人消費を拡大させようという取り組みです。 経団連が会員各社に向けて、プレミアムフライデー当日に従業員が早めに仕事を終えられるよう協力を呼びかけたのは2016年12月13日。そこから年末年始をはさんだ約2か月で、対応が間に合った企業と対応できていない企業に分かれているのが現状です。 住友商事は6日、従業員に当日の全休もしくは半休取得か15時退出を勧める取り組みを1月27日から始めたと発表しました。同社は2017年、各従業員が14日以上の有給休暇を取得する、という目標を掲げており、その取り組みの一環です。 毎月の最終金曜日だけではなく、毎週金曜日を全・半休および早期退出を勧奨する日としており、同社広報は「すでにプレミアムフライデーを拡大実施している」と胸を張ります。ほかにも、大和ハウス工業が当日午後を半休にすると発表しています。
経団連幹部会社の足並みがそろわない
経団連幹部会社の足並みはそろいません。榊原定征相談役最高顧問が経団連会長を務める東レは、7日夕方の段階で「今のところ取り組む予定はない」と回答。プレミアムフライデーの趣旨は理解するが、グローバルに事業を展開し、かつさまざまな業界と取引があるなかで、15時一斉退社の実施は難しいとしています。 会長や社長らが経団連で副会長を務める会員企業は16社あります。そのうち三菱重工業は当日の半日有休取得や早期退出を従業員に呼びかけていますが、日本郵船は現時点で取り組む予定はないといいます。トヨタ自動車は「一部の職場で導入を検討中」、三越伊勢丹ホールディングスは「何ができるか現在検討中」としています。 国ではすでに、1月27日付で内閣人事局から各府省にあてて、各職員に当日の早期退庁を勧めるよう協力を呼びかけ済み。プレミアムフライデーを担当する経済産業省の流通政策課では「官民共同プロジェクトだが、そもそもこの企画をリードしたのは産業界の方。意気込みを見せて欲しい」と少々おかんむり。
内部調整に時間がかかる企業もある
会長会社の東レを含め、各社の対応にばらつきがある現状について、経団連の産業政策本部は「工場の稼働を止められないなど、各社によってそれぞれ事情がある。内部での調整に時間がかかる企業もあると思われ、2月に一斉に出そろうのは困難」と各社の事情を斟酌します。 1回だけで終わる企画ではなく、今後も毎月最終金曜日にプレミアムフライデーが設定される点をふまえ、同本部は「息長く続けて、いずれはハロウィンなみに認知されるようにしていきたい」と話しています。 (取材・文:具志堅浩二)