USスチール買収、阻止の公算大か…日本製鉄側に対米外国投資委が書簡
【ワシントン=田中宏幸】ロイター通信は18日、バイデン米大統領が日本製鉄による米鉄鋼大手USスチールの買収を阻止する公算が大きくなっていると報じた。買収計画を審査する対米外国投資委員会(CFIUS)が14日に日鉄側に送った書簡の内容が明らかになり、委員会内で合意に至っていないと伝えている。
日鉄は米大統領選前の9月中にCFIUSへ計画を再申請しており、審査期限が12月23日に迫っている。
ロイター報道によると、日鉄側は9月以降にCFIUSと対面で4回、電話で3回協議を行った。イエレン米財務長官やレモンド米商務長官とも電話で会談したという。
CFIUSは書簡で、日鉄による投資計画の実現可能性や、取引で生じる国家安全保障上のリスクを解決できるかといった点について、依然として合意できていないと指摘。意見がまとまらない場合はバイデン氏の判断に委ねられると伝えたとしている。
買収計画を巡っては、全米鉄鋼労働組合(USW)が強く反対し、バイデン氏も否定的な考えを示している。