意中の男性への思いを断ち切れずたまらずキス……結ばれることのない2人の行動にモヤモヤ|大河ドラマ『光る君へ』第21回
想いを伝え、越前へ
内裏の動揺が続く中、藤原為時(岸谷五朗)の越前出立の日が近づいていた。そんな折、為時は道長に呼び出される。越前には多く宋人が訪れているが、彼らが求めているのは国同士の商い。しかし、朝廷はそれに応じない、と伝え、宋人たちを帰国させよ――。これが為時に課せられた役目だった。為時としては気が重いらしく、その表情は冴えない。 一方、まひろは道長(柄本佑)に文を書く。越前へ向かう前にふたりはあの廃邸で対面する。 定子を追い詰め、伊周を追い落としたのは道長なのか。これは宣孝(佐々木蔵之介)が話していたことであり、実しやかに流れている噂。道長は伊周が邪魔だし、詮子(吉田羊)は定子を疎ましく思っていた。今の状況は道長にとって好都合である。 まひろの問いに道長は肯定するが、その表情から道長のはかりごとではないと察する。かつて、友である直秀(毎熊克哉)が死んだとき、道長は自分が殺したようなものだと言った。今回のことは直秀の件と通ずるものもある。道長が謀ったことではないが、結果的にそうなってしまった。会って顔を合わせれば、こんなにも通じ合うことが多いふたり。
ついに通じ合った二人…
そして、まひろはようやく素直な気持ちを言葉にする。 この10年、道長を諦めたことを後悔しながら生きてきた。 どうしてあのとき、自分の心に従わなかったのか、と。 道長もまた、まひろを思い続けていたことを伝える。 抱き合うふたり。見つめ合い、まひろのほうから道長に口づけをする。 越前の地で生まれ変わりたいというまひろに道長の心は……。 まひろと道長のシーンはとても美しく、グッと来てしまうのだが、つい倫子(黒木華)にも想いを馳せてしまう。 倫子は倫子で道長に恋焦がれ、妻となり、彼を支えている。 しかし、道長の心の中にはまひろがずっといて……。 この時代に不倫だのなんだの、という話ではないが、妾が何人もいることよりも辛い気がするが……。 道長に別れを告げてまひろは為時とともに越前へ。 しかし、最初から宋人たちがなにやら揉めている様子。そんな中に意味深な雰囲気でたたずんでいる男(松下洸平)が。 どう考えても今後のストーリーに大きく関わってきそうである。存在感がありすぎるが、どのように物語に関わってくるのか、次回以降に注目である。 <文/ふくだりょうこ> 【ふくだりょうこ】 大阪府出身。大学卒業後、ゲームシナリオの執筆を中心にフリーのライターとして活動。たれ耳のうさぎと暮らしている。好きなものはお酒と読書とライブ
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