下町職人たちのフェス「モノマチ」に熱気 台東区・徒蔵一帯がアトリエに
帽子のデザイン、制作に打ち込む武市暁=たけいち・あき=さん(35)は帽子メーカーに10年勤めてから独立して4年。自分のブランド「TERAI クラフト」を立ち上げ、制作に打ち込んでいます。
手作りの靴を並べていた中西文隆さん(37)も靴メーカー勤務などを経て「品質にこだわりながら自分の手で靴を作り上げてみたい」と独立して3年。型紙から作ると1足作るのに早くても1か月かかるという仕事に今は満足しています。
工業製品の布を、材料の糸、柄、色などすべて自分で決めて生産に回すテキスタイルデザイナーの女性は、「こうした支援施設があってとても助かっています」と話していました。若いデザイナーや職人は、自分の仕事が認められるまでが経済的に苦しく、民間のアトリエなどを借りるのはつらいといいます。
他地域から移転してくるお店も
デザイナーや職人の多くが店を出している御徒町のJR高架下の2K540会場も女性客らでにぎわっています。台東モノマチ協会事務局の広報担当、樋口珠由子(まゆこ)さんは、「回を追って参加店が増え、地元以外の地域からも注目されるようになりました。若い参加者も多く、中には徒蔵地域に店を開くためにほかの地域から移転してきたお店もあります」とモノマチの反響を語ります。異業種の店などのコラボレーションも広がり始め、古くからの町工場から若いデザイナー、職人まで幅広いネットワークの可能性が広がる街として期待が集まりそうです。 (高越良一/ライター)