ホリプロカウトキャラバン出身の21歳が『ハリポタ』新キャストに抜てき「芸能人生の転機に」
宝塚&昭和歌謡好き「流行について行くのに必死」
大学進学を機に上京。俳優業に加え、ファッション誌『Ray』でのキャンパスガールやラジオの仕事も経験し、学業との両立にいそしんでいるが、「宝塚の楽曲と昭和歌謡しか知らなくて、流行について行くのに必死です」という一面もある。 「幼い頃から、お家でも家族と出かけた車の中でも昭和の歌謡曲を聴いて育ってきました。カラオケでも昔の曲ばかり歌っていて、友達が聴くようなジャンルは全く詳しくなくて。TikTokを始めたので、最近の流行りはそこから吸収しています。でも、昭和好きをアピールし続けたおかげで、ホリプロの先輩方と歌謡曲好きユニット(山崎裕太、山崎エリイ、山内鈴蘭、竹野留里との『カセットガール』) に恵まれたりもしました」 好きな舞台への猪突猛進ぶりが実ってつかんだ『ハリポタ』への出演。大きな経験になりそうだが、「この作品がどんな進化を与えてくれそうか、それを探しているところです。ローズという役を通じて、『私はこういう人間で、こんな強みがあるんだ』を知りたいです」と目をキラキラさせた。舞台版は、小説の最終巻である『ハリー・ポッターと死の秘宝』から19年を経た時代の物語。ローズ・グレンジャー・ウィーズリーは、ハーマイオニー・グレンジャーとロン・ウィーズリーの娘になる。 「ローズは自由度の高い役だなと思います。特にロンドン版で日本版以上に強く感じました。もともと元気な性格の子なのですが、フレッシュなローズ像にこだわらずに繊細さやはかなさを見せていきたいですね。私自身は『大人っぽい』と言わることが多いので、今作では“少女らしさ”をいきいきと見せていくことが課題です」 そう言いつつ、飛香は原作から愛してきたシリーズのキャラクター研究もぬかりない。 「ローズの元気の源には、家族愛があると思います。ロンとハーマイオニーの性格を受け継ぎつつ、強がりで勝気なところが好きです。朗らかで人を笑顔にさせる言葉選びができて、魔法の才能もあります。映画でシリーズを見ていた方にも『やっぱり、2人の子だ』と思ってもらえるクオリティーを目指していきます」 好きなカルチャーを語り出すと止まらない。 「ヘアスタイルも宝塚の娘役さんばかり参考にしています。(宝塚で)昭和歌謡が使われているショーに出会うと、俄然に気持ちも高揚します。昔のヒット曲が使われることも多いので、そんな風に好きなものと好きなものが融合する時があると、たまりませんね」 デビューから3年目で、俳優を目指す原点になった演劇界で大役をつかんだ。「間違いなく、私の芸能人生の転機になります」。ロンドンへ“聖地巡礼”するほど貯めてきた情熱。飛香はそれをこの作品にぶつけていく。 □飛香まい(あすか・まい) 2002年8月12日、福岡県生まれ。20年12月に開催の「第44回ホリプロタレントスカウトキャラバン ミュージカル次世代スターオーディション」ファイナリストに選出。22年に俳優活動を始め、舞台『恋砂-れんさ-廻』、『幕が上がる』に出演し、『46番目の密室』ではミステリー歌劇に出演。NHK『正義の天秤2』、TBS系『不適切にもほどがある』、フジテレビ系『アンメット』などドラマにも出演。
大宮高史