今年注目される「暮らしを変える5つの技術」
■パートナーロボット
昨年12月に東京で開かれた「国際ロボット展」。おしゃべりに特化し、人間の手伝いはほとんどできない「弱いロボット」が大きな注目を集めていました。弱いロボットの代表である「Pepper」が一般発売された昨年につづき、今年は、ロボットを事業としてどのように成り立たせるか模索されます。 体長34センチの「ロビ」は、デアゴスティーニ・ジャパン社から発売されるマガジンシリーズ「週刊ロビ」に毎号付いてくるパーツを組み立ててできあがる会話ロボット。旅行に連れて行くユーザーもいるほどで、おもちゃを越えた「家族」として扱われることも多いようです。 家庭にロボットが普及すると、得られた情報をクラウド上に集め、ビッグデータとして解析することも期待されます。「ロビ」はクラウドに接続されていないロボットですが、「Pepper」の場合、得られた情報は、匿名化されたのち感情認識機能の向上に、既に利用されています。今後、ユーザーに合わせたきめ細やかなサービスへの活用も考えられますが、プライバシーを守った上でどのようにデータを利用するか議論される一年になりそうです。(志水)
■人工知能
スマートフォンの音声アシストや掃除ロボットなど、すでに生活の中の様々な領域で活用されている人工知能。医師の仕事を高度な情報処理能力で助けることで、医療のあり方を今後大きく変化させるかもしれません。 2011年、米国で人間のクイズ王に勝利し話題になったIBM の「ワトソン」は、米国の医療現場で既に活用され始めています。例えば、あるがん専門病院では、電子カルテのデータを基に、ワトソンが必要な検査を提案したり、治療方針の策定を支援したりする技術が実用化されています。 さらに、医療画像を解析して診断の支援をするシステムも開発中とのこと。過去の膨大な医学論文や診断データを参照し、分析することで、より迅速で確実な診断と適切な治療が可能になるでしょう。日本でも、ワトソンをがん治療に役立てるための臨床研究が昨年から始まりました。日本の病院でも近い将来こうした技術が普及するかもしれません。(浜口)