漫画「コブラ」作者・故寺沢さん回顧 宝塚・手塚治虫記念館、直筆原稿など100点を披露
宇宙海賊の活躍を描いた「コブラ」で知られる漫画家寺沢武一さん(1955~2023年)の企画展が、手塚治虫記念館(兵庫県宝塚市武庫川町)で開かれている。手塚プロのアシスタントをしながら応募した漫画賞で入選し、雑誌連載のきっかけをつかんだ。キャリアをたどる直筆原稿やデジタル画像など100点を展示している。(冨田佳久) 【写真】寺沢武一さんの生前の写真 ■デジタル導入の先駆、描画の過程も紹介 寺沢さんは北海道旭川市出身。1976年に上京して手塚プロに入り、約1年間アシスタントを務めた。当時、手塚さんは代表作「ブラック・ジャック」や「火の鳥 望郷編」を手がけており、同時期のアシスタントには「The・かぼちゃワイン」の三浦みつるさんがいた。 78年に週刊少年ジャンプ(集英社)で連載が始まった「コブラ」は、アメリカンコミック調の絵で、光線銃のSFアクションや粋なセリフが人気を集め、アニメ化もされた。単行本1巻では手塚さんが「これからの寺沢くんに期待を」というタイトルで言葉を寄せ「背景を描かせると抜群だった」とアシスタント時代の様子を披露している。寺沢さんはその後、デジタルで描くという新たな漫画表現に挑戦し、「バット-BLACK KNIGHT-」「武-タケル-」などの作品を生み出した。 企画展では、デビュー前に描いた少女漫画▽アシスタント時代に手がけた手塚作品▽「コブラ」の直筆原稿やフィギュア▽1985年に8色のCGで描いた「バット」-など、時系列で作品を並べつつ、デジタルで描く過程なども紹介。同館では「デジタルの先駆者である寺沢さんの画業から、新しいものを開拓し続けた手塚作品と同じスピリットを感じてほしい」としている。 2025年2月19日まで。午前9時半~午後5時(入館は午後4時半まで)。月曜休館(11月4日と25年1月13日は開館)。大人700円、中高生300円、小学生100円。同記念館TEL0797・81・2970