【補選×政局】島根1区補選から見える岸田政権への包囲網(記者解説)
YouTube「選挙ドットコムちゃんねる」では、毎週選挙や政治に関連する情報を発信中です。 2024年4月24日に公開された動画でのテーマは「与野党直接対決!衆院補選島根1区」。 ゲストに朝日新聞政治部記者の今野忍氏と産経新聞デジタル報道部政治担当デスクの水内茂幸氏をお招きし、島根1区の現状の情勢や岸田政権の今後の展望について語っていただきました。 立憲は8時当確で行ける?!油断できない理由とは? 【このトピックのポイント】 ・厳しい戦いが続く自民党。補選のカギを握るのは?! ・立憲はもう安泰?!幹部が漏らした現状とは?! ・選挙結果次第で解散は秋?6月?
衆院補選島根1区の現状
島根1区の立候補者は、自民党の錦織功政氏、立憲民主党から亀井亜紀子氏の2人です。 現状では、立憲が先行し、自民が追っていると報道されています。 MC伊藤由佳莉「自民党はどのような戦いをしているのでしょうか?」 このままだと8時当確が出るかどうかぐらいの厳しい戦い。差が付いている状態で「狭まってくる感じが、今の段階ではない」水内氏は見解を語りました。 3補選と言っても、東京15区と長崎3区は不戦敗で、政権与党の負け越しが決まっている状況です。島根1区で勝つかどうかで、自民党が全敗するかどうかが決まります。 今野氏は「今後の岸田政権の先行きを占い、行く末を決めると言っても過言ではない選挙」とコメント。また、亀井氏が優位という報道については「あと一週間あり、結果はまだわからない」と言及。その理由として、1996年に小選挙区制度が始まってから島根県だけは一度も自民党が負けていない点を挙げました。
岸田総理と公明党の関係性とは?!
自民党は総力戦を掲げて、大物議員が続々と現地入りし、4月21日には岸田総理も応援に駆けつけました。しかし、岸田総理の現地入りには、賛否があったという話もあります。 水内氏は、入って負ける形になると、一定のダメージはあるから「何回入るかが議論になる」と語ります。「1回も入らないと、公認候補を立てているところでトップが逃げたと思われたら困る。でも2回も入って負けた形になるとダメージがより厳しくなる」と解説。 水内氏「この動画を見る皆さんは、岸田さんが何回(現地に)入るかっていうのをちょっと注目して、ご覧になったらいいんじゃないでしょうかね」 今野氏は島根1区について「細田博之氏が連続11期当選し、その前は細田氏の父親が選出されていた選挙区。2代合わせて60年位、島根1区の人たちは(投票用紙に名前を)細田しか書いていない自民党王国」と解説し、「(今回の選挙では)候補者の名前がどこまで浸透するのだろうか」と語ります。 また「補選で大事なのは公明党」と今野氏。 公明党は創価学会という組織が付き、これまでも厳しい情勢の選挙を終盤でひっくり返したことも。「組織をフル稼働できるのが、公明党の強み」だと解説します。しかし、今回の補選では、公明党は告示の直前に推薦を出し、公明党代表の山口那津男氏は、まだ一度も現地入りをしていません。 今野氏が取材した限りでは、今後も現地に入る予定はないと聞いていて「もうはっきり言って、(公明党は)完全に岸田さんを見限った」とコメントしました。 水内氏も「(公明党が解散総選挙は)秋がいいと言って、あんなはっきりと岸田さんを変えた後すぐ選挙だと露骨に言うなんて。あんなこと公明の人が言うなんて前代未聞ですよ」と、同意しました。 次期衆院選では、公明党の現職がいる大阪や兵庫の6つの選挙区で維新が候補者を擁立する話もあり、公明党は選挙に対して強い危機感を持っていると想定されます。 MC伊藤「自民党と公明党の距離感がにじみ出てる選挙区になってそうですね」