矢作調教師はラモルレイ調教場でシンエンペラーの状態をチェックする（代表撮影）

【シャンティイ（フランス）4日＝増本隆一朗】日本のシンエンペラー（牡3）の矢作芳人調教師（63）＝栗東＝と坂井瑠星騎手（27）＝栗東・矢作＝が、フランスギャロ事務所で行われた共同会見に臨んだ。「今までの日本馬とは違うと考えている」とトレーナーは悲願の凱旋門賞制覇へ意気込みを語った。馬券は6日午前7時からインターネット投票などで発売される。 日本競馬界の夢をシンエンペラーでかなえてみせる。フランスギャロ事務所で行われた共同会見。前日にフランス入りし、朝は現地で初めて管理馬を入念にチェックして臨んだ矢作調教師が、熱い思いを世界に向けて発信した。 「彼の走り方からこの馬場に向くと思って連れてきた。（凱旋門賞馬ソットサスの弟で）フランス産馬ですし、今までの日本馬とは違うと考えている。2年前（ステイフーリッシュ14着）と比べても圧倒的にチャンスがあると思っています。それは馬場適性が高いと思っているからです」 1969年にスピードシンボリが挑んでから延べ34頭の日本馬が挑戦しても届かなかった世界最高峰の頂き。3冠馬ディープインパクト、オルフェーヴルでも届かず、3000メートル以上の菊花賞、天皇賞・春を圧勝したタイトルホルダーでも通用しなかった。それは重くタフで相当な体力を要求される馬場の影響が多分にあった。だが、シンエンペラーはこれまで日本馬を苦しめてきた馬場をこなせるという自信がトレーナーにはある。レース当日は重馬場予想だが、「頭が高い走りをするので道悪が苦手なわけがない。ロンシャンの馬場は合うと思う」と力を込める。 「50年前から目標にしてきたレース。そう思うと感慨深い。2年前にフランスでここに連れてこようと思って購入して、有力馬として来ることができたのは奇跡的な確率。奇跡的なことを成し遂げたのはそういうオーナー、騎手、調教師だからこそチャンスはあると思うし、全力を尽くす」と宣言した。 弟子の坂井騎手は日本だけでなく、世界を股にかけて騎乗しているが、凱旋門賞は今回が初めて。「過去のレースをたくさん見て準備をしてきたし、ゲームの『ジーワンジョッキー』でたくさん乗ったこともありますので、初めてと思っていません」と強心臓ぶりをアピール。「日本のホースマンにとっての夢ですし、この舞台に先生と立てるのがうれしい」と語った。