日本ハムを躍進させた新庄監督の揺れる去就 指揮官の最終結論待ちも球団側に焦りの色なし 鬼筆のスポ魂
球界希代のエンターテイナーで、今季はチームを2年連続の最下位から2位に躍進させた日本ハム・新庄剛志監督(52)の進退問題が宙に浮いたままだ。レギュラーシーズンの終了後、自らの去就に触れた指揮官は「今後の戦い方次第で完全燃焼させたら、一気に消えて(退任の意味)しまうところはある。『責任を果たしました』ってなるかもしれない。くぅーって(悔しく)なったら、やり返したろと思ったら、また(来季も)ある」と話していた。 【写真】指揮官の温かい心遣い…報道陣にふるまわれた〝新庄ランチ〟 ■「完全燃焼」なら退任か 日本ハムは3位ロッテとのクライマックスシリーズ(CS)ファーストステージ(エスコンフィールド北海道=3試合制)で、先に王手をかけられたところから逆襲し、2連勝。16日からは日本シリーズ(26日開幕)出場権を懸け、リーグ優勝を果たしたソフトバンクとファイナルステージ(みずほペイペイドーム=6試合制、ソフトバンクに1勝のアドバンテージ)を戦っている。 新庄監督の言葉をそのまま受け取るならば、ファイナルステージを制し、日本シリーズも勝てば「完全燃焼」で即退任か。それともファイナル敗退ならば「くぅー」となって続投するのか。今季、日本ハムは207万5734人をホームゲームで動員。新庄人気も集客に大きく貢献しただけに、ファンも含めて球団内外で最終決断はどっち?と息を潜めて待っている状況だ。 球界内に流れる情報では、1年契約で3年目となった新庄監督と球団側は夏場過ぎに話し合いの場を持ち、監督自身の続投意欲を確認しようとしたという情報がある。しかし、それ以降、球団側から続投要請があったとか、続投が決まったとかの発表は一切ない。逆に今季限りで退任するという発表もない。摩訶(まか)不思議な空気だが、日本ハムに近い関係者によると、「結局、球団側は新庄監督の最終的な結論を待つ姿勢なのだろう。辞めるなら新監督に交代。続けるなら新たな条件提示。そういうスタンスでは?」という。 ■後任監督は既定路線