初売りコロナ前超えた 石川、富山の百貨店 9連休後押し、好発進
●物価高でも…「ハレの日消費」活発 石川、富山県内の年始商戦は、最大9連休となった年末年始の曜日配列が影響して各店舗で軒並み好調だった。金沢市の香林坊大和、金沢エムザでは昨年、能登半島地震で初売りの延期を余儀なくされたが、今年は2日からにぎわいが続いた。物価高で家計の節約志向が強まる中でも「ハレの日消費」は活発で、宝飾品など高額品の売れ行きが伸びた。関係者から「コロナ前の水準を超えた」との声が聞かれ、春商戦の弾みになると期待している。 【写真】家族連れでにぎわう店内=2日、金沢市の金沢エムザ ●高額商品売れる 「いつもの初売りの光景に戻って安心した」。香林坊大和の2日の初売りは、午前9時の開店前から例年並みの約1200人が列をつくった。販促担当者は「まとまった休みが取れる曜日配列だったので初売りの日は予定を空けていたのではないか」と推測した。 同店ではアクセサリーなどの高額商品を求める人が多く、客単価を押し上げた。旬の果物やコーヒーなど飲食料の福袋が人気だったほか、能登牛などの能登に関連する商品も注目を集めた。衣料品コーナーでは、子供服を品定めする家族連れの姿が目立った。 担当者は「売り上げはコロナ前を超えてくる。これから始まる商戦に流れをつなげていきたい」と意気込んだ。今後は九州展などの物産展も控えており、引き続き多彩な企画を通じて集客を図るとした。 ●ザ・キッズが最多 「計画を上回る入り込みだった」と振り返るのは金沢エムザの担当者。同店では2~4日、家族連れの来店が多く見られた。6、7階にある子どもの室内遊具施設「ザ・キッズ」は、4日に670人が利用し、2023年12月のオープン以来、1日当たりで過去最多を記録した。 2日の初売りでは、地下1階の和菓子と洋菓子の福袋に人が詰めかけ、能登産のワインが入った福袋は開店直後に売り切れた。伝統工芸品を扱う「黒門小路」には観光客らも訪れ、九谷焼の食器などが売れた。 2~5日には1万円以上の購入者を対象に旅行券や能登牛などが当たる大抽選会を実施し、商戦を盛り上げた。担当者は「昨年は震災で自粛ムードがあったが、今年は良いスタートが切れた」と手応えを見せ、バレンタインなど今後の商戦にも期待した。 富山市の富山大和は、地下の総菜売り場や6階のレストラン街など食品関係のほか、防寒用の衣類などの売れ筋が好調だった。昨年より数を増やした福袋も売り上げに大きく貢献した。担当者は、今年の盛況ぶりに「消費の回復は見られた。物価高の中でも、品質にこだわる消費者のニーズは変わらなかった」と話した。