男子200・飯塚(藤枝明誠高出)決勝へ 女子3000障害・斎藤(伊豆中央高出)準優勝 陸上日本選手権開幕
パリ五輪代表選考会を兼ねた陸上の日本選手権第1日は27日、新潟市のデンカビッグスワンスタジアムで行われ、男子200メートルで4大会連続の五輪を目指す飯塚翔太(ミズノ、藤枝明誠高出)は全体トップの20秒46で予選1組1着となり28日の決勝に進んだ。 男子3000メートル障害は昨年の世界選手権代表の青木涼真(ホンダ)が8分24秒21で初優勝した。女子走り高跳びは高橋渚(センコー)が1メートル87で3連覇。 女子3000メートル障害の斎藤みう(日体大、伊豆中央高出)は9分48秒15で準優勝した。 その他の静岡県勢は、女子400メートルで岩田優奈(スズキ)と松本奈菜子(東邦銀行、浜松市立高出)がそろって決勝に進んだ。 ■飯塚、4大会連続五輪へ一歩近づく 日本男子スプリント界最多タイの4大会連続五輪へ、飯塚がまた一歩近づいた。200メートル予選は狙い通りのレース運びで全体トップの20秒46。今季の決勝レースでは日本人で唯一、先着を許してきた鵜沢(筑波大)との一騎打ちへ、盤石の態勢を整えた。 抑え気味のスタートからコーナーを抜けた時は3番手だったが、百戦錬磨のベテランには想定内。後半100メートルにきっちり余力を残した。上山(住友電工)に粘られたものの、最後の30メートルで「『抜かしたい』と気持ちを振り絞った」と100分の1秒差で差しきり、「20秒4台は常に出せる感覚がある」と手応えを口にした。 予選から今季の自己最高記録に並んだが、「レース展開はイメージ通りだが、前半がまだ重い。今の感覚でスピードが上がれば」とさらなる上積みを目指す。12歳下のライバルとの対決へ「最後までやり合いたい」と胸を高鳴らせる33歳。3位以内で五輪へ大きく前進するが、5度目の優勝で花を添えるか。 ■斎藤、急成長の真価示す 日本一の背中はまだ少し先にある。だが、急成長した今季の真価を大舞台で示した。女子3000メートル障害の斎藤はスパート合戦を100分1秒差で制して準優勝。昨年の10位から大きくジャンプアップした。 高校時代の自己記録は11分20秒台。昨季までも10分14秒19が最高だったが、大学ラストシーズンを迎え「ハイレベルな同級生を見て、自分も戦えるようにならなければ」と意識が変わった。4月に9分47秒76の大幅自己新。今回も「調子は良くなかった」というが、9分48秒15と自己記録に迫った。 中学までバスケットボールとの二刀流。フットワークの切り返しの動きが、ハードリングや水濠を乗り越えるのに生かせると感じ高校総体にはない3000メートル障害に挑戦してきた。目標は世界と戦うこと。「日本選手権優勝、連覇、さらに五輪を目指したい」とさらなる成長を誓った。
静岡新聞社