全34試合フル出場!サッカー・ベルギー1部のDF渡辺剛は五大リーグにステップアップできるか リーグでGK除きただ1人の快挙
サッカーのベルギー1部リーグで、コルトレイクの渡辺剛(26)がレギュラーシーズン全34試合にフル出場した。Jリーグから欧州に渡って2季目のDFは、18チームが参加するリーグ全体の中でもGKを除くフィールドプレーヤーでただ一人という快挙を成し遂げ「シーズンが始まったときは1試合でも多く出られるようにという気持ちで、まさか全部出るなんて思っていなかった。チームメートやスタッフが喜んでくれたので、1シーズンを通して頑張ってきてよかった」と達成感を口にした。(共同通信=田丸英生) ▽「1年間クリーンにプレー」 昨年7月の開幕時から不動のセンターバックとして守備陣を統率した。身長186センチで日本では大型DFと形容されるが、ベルギーではさらに屈強で身体能力の高いFWとマッチアップすることも珍しくない。激しい肉弾戦は避けられないが大きな負傷をすることなく、警告を受けたのも3回のみ。「そのうち2回は抗議とハンドだったので、ファウルでもらったイエローカードは1枚だけ。1年間クリーンにプレーできた」と自負する。
シーズン終盤に入って周囲の期待も感じながら記録を意識するようになる中、レギュラーシーズン最終節の前にはふくらはぎを痛めて練習から2日間ほど離脱した。「あと1試合できるかなという心配もあったが、監督も『やれるならやった方がいい』と言ってくれたので、練習をあまりやらないまま試合に臨んだ」と強行出場して最後まで走り切った。 統計データによると空中戦やタックルの勝率、インターセプトなどさまざまな項目でリーグのトップクラスに名を連ねた。8勝7分け19敗とチームの成績は振るわず、2度の監督交代を経て14位で1部に残留。下位で苦しい戦いを強いられたシーズンとなったが「相手に攻め込まれるからこそ、活躍できる状況が多かった。自分にとっては良かったのかな」と前向きに受け止めて守備力に磨きをかけた。 ▽念願の欧州挑戦、想像していたより壁が 山梨学院大付高(現山梨学院高)、中大を経て2019年にJ1のFC東京に加入。同年12月に国内組で編成された日本代表に選出され、東アジアE―1選手権で1試合に出場した。Jリーグで3年間プレーし、昨年1月に念願の欧州挑戦に踏み切ったが「フィジカル面、言語など想像していたより壁があった」と当初はすんなりと適応できなかった。