韓国復帰で32HR&112打点…阪神で“ダメ助っ人”と言われたロハスJr.が再覚醒できたワケ「日本の投手の方がレベルは上」
日本で辛酸をなめた34歳の助っ人が「完全復活」を遂げた。今季から韓国プロ野球(KBO)リーグのKTウィズでプレーしていたメル・ロハスJr.だ。 【動画】逆方向への圧巻アーチ! 元阪神ロハスJr.の貫録弾 この名を聞いて、ピンとくる人も少なくないだろう。ロハスJr.は21年から2年間、阪神に在籍していた経歴を持っているため、脳裏に焼き付いている野球ファンは少なくないはずだ。 もっとも、阪神での2年間は決して誇れる成績ではなかった。20年に打撃二冠王(本塁打&打点)とリーグMVPのネームバリューを引っ提げて阪神に入団したロハスJr.だったが、新型コロナウイルスの蔓延で合流遅延。その後も低調なパフォーマンスに終始し、NPBでの2年間で通算打率.220、17本塁打、48打点、OPS.697と鳴かず飛ばずのまま、甲子園から姿を消した。 環境適応の時間がなかったとはいえ、阪神時代のロハスJr.は何をやっても空回りをしている印象が否めず。「長打を打てる大物助っ人」の期待をかけた虎党を裏切った感は否めなかった。 そんなロハスJr.だが、捲土重来を期して古巣KTウィズと再契約すると、再ブレイクを果たした。開幕からレギュラーとして抜擢された34歳は全144試合に出場。そして打率.329、32本塁打、112打点、長打率.568、OPS.989のハイアベレージを記録。打率、本塁打、打点の3部門でリーグ10傑入りを果たすなど堂々たる活躍を見せた。 日本で「ダメ助っ人」のレッテルを貼られた当時の面影もなく、まさに水を得た魚のように打ちまくった。本人も韓国球界との相性の良さを自覚する。 KTウィズへの復帰間もない春先に応じた日刊紙『朝鮮日報』のインタビューで阪神時代を「日本は韓国より球速が速い投手が多いんだ。制球力の良い投手ももっと多かった」と振り返ったロハスJr.は、続けざまに自己分析を続けている。 「韓国の投手たちのレベルが以前よりも上がっていることは確かだ。それでも日本と比較すると、向こう(日本)の投手たちの球速の方が少し速く、落ちるボールに対するコントロールも良い。日本の投手たちの方が、変化球はより低く、正確に来る。全体的に大きな差はないと思うけど、細かい違いがある」 好投手たちを前に、にっちもさっちもいかなかった。そんな日本での苦い経験があるからこそ、ロハスJr.は韓国でふたたび猛打を振るっているのかもしれない。 [文/構成:ココカラネクスト編集部]