16強の萩原啓至/今枝愛美 教え子&愛娘ペアを見守った今枝一郎監督「娘もよく頑張った。萩原も自分の欲に繋げてくれれば」<全日本卓球2024>
<天皇杯・皇后杯 2024年全日本卓球選手権大会(一般・ジュニアの部) 日程:2024年1月22~28日 場所:東京体育館(東京)> 2024年全日本卓球選手権大会の混合ダブルスに、萩原啓至(愛工大名電高)/今枝愛美(愛み大瑞穂高)が登場し、試合に臨んだ。 2023年夏のインターハイでは萩原は中村煌和(愛工大名電高)と、今枝は遊佐美月(愛み大瑞穂高)と組んでそれぞれダブルス種目で高校生チャンピオンに輝いており、その2人がダブルスを結成し、全日本愛知県予選を突破してきた。 今大会では萩原の所属する愛工大名電高の監督であり、今枝愛美の父でもある今枝一郎監督(愛工大名電高)がベンチに入り、1回戦から戦った。 1回戦では大学生の実力者である宮川昌大(明治大)/船場清華(専修大)にいきなり0-2ビハインドとなり、4ゲーム目も4-9と追い込まれるがそこから逆転勝ち。その勢いのまま岩井田雄斗(野田学園高)/橋本真海(岩国商業高)、各務博志(関西卓球アカデミー)/馬場麻裕(オレンジ卓球場)と連破し4回戦へと駒を進めた。 4回戦では、優勝候補と目される篠塚大登(愛知工業大)/木原美悠(木下グループ)と対戦。1ゲーム目を奪い、3ゲーム目も9-9まで食らいついたがわずかに及ばず、ゲームカウント1-3で敗れた。 試合後に萩原、今枝愛美、今枝一郎監督にお話を伺った。
萩原啓至(愛工大名電高)/今枝愛美(愛み大瑞穂高)、今枝一郎監督コメント
<娘さんのベンチに入ったのはいつ以来?> 今枝一郎:全日本では中2のジュニア以来で5年ぶりでした。(愛み大瑞穂高の)神谷先生がこの大会の最初に言ってくださったので入らせていただきました。 ミックスは1回戦から勝つことが難しいと思っていたので、初戦で良い挽回勝ちを萩原のおかげでできて、ありがたい良い経験をさせてもらえました。 娘も本当によく頑張ったと思います。 1試合目の途中から2人で相談もしながらやっていってたし、娘のおかげで点数を取っているシーンもいくつも見られたし(笑)。親としては良い試合でした。 今枝愛美:お父さんのベンチは最高でした。 今枝一郎:ハッハッハ(笑)。 <萩原選手はベンチは先生でパートナーは先生の娘という立場でしたが> 今枝一郎:さっきも謝りました(笑)。「すいません。板挟みで」と。 萩原:自分としては、ベンチは今枝先生にいつもシングルスで入ってもらってるので、いつも通りでした。 慣れていないミックスダブルスということで、自分ができないことが多くて、毎試合毎試合修正しながらじゃないと勝てない試合でした。でもここまで勝ち上がってこれたので、成長できたかなと思います。 <初戦の0-2ビハインドについて> 萩原:1回戦から相手も実力者ということで、正直勝つ自信はなかったんですけど、最後の1点まで楽しんで思い切ってやろうという気持ちを持ちながら、1本ずつやった結果が逆転に繋がったと思います。 今枝愛美:練習でも男子のボールを取ることが難しくて、合わせるのに必死だったんですけど、途中良いプレーがあったりして、萩原くんのおかげで集中できた部分だと思います。 <どういうパートナーでしたか?> 今枝愛美:本当に心強いです。決めてくれるので、自分が繋いでるだけで良いみたいな感じでした。でももう少し自分が頑張らないとなと思います。 萩原:自分が決める場面も多々あったんですけど、大事な場面で何度も助けてもらいました。自分だけの力だけで勝ったわけではなくて、お互いのナイスプレーで勝てました。 ランク決定では相手(篠塚大登/木原美悠)も強いし、実力負けしたんですけど、良いプレーもできたので良かったと思います。 <今大会を通してどうでしたか?> 今枝一郎:萩原の場合は1試合目より2試合目、2試合目より3試合目と完全にパフォーマンスが上がっていて、今の試合(篠塚大登/木原美悠戦)も着いて行ってました。 逆に娘は、1~3回戦は娘のおかげで勝った部分もあるかもしれないけど、今の試合ははっきり着いていけてなかったというのは間違いない。そういう経験の場所まで萩原に連れてきてもらったというのがまずめちゃくちゃありがたいことです。 一流の男子(篠塚)のボール、プレーを受けて体感して、「着いていけない!」と本人も感じたはずなので、あとは本人がこれからどうするか。「私もこうしなきゃ」と思っている部分をあとは実行に移せるか。 そういう経験をさせてもらえたのが萩原にも感謝しないといけないし、ペアを快く引き受けてもらって、予選も通過してくれて、この舞台まで連れてきてくれた。 優勝するんじゃないかというペアに1ゲームとって、3ゲーム目も9-9までいったので、自信にすればいいし、でも着いていけなかった部分は感じてくれればいい。 萩原の方もこういうやり方があるんだと感じて卓球の幅を広げてくれたら。 これから世界で戦おうと思ったら、オリンピックにもミックスという種目があるわけですから、「来年もミックスでももっと勝ちたいな」というさらなる自分の欲に繋げてくれればいいなと思いますね。