『となりのナースエイド』に上乗せされたラブコメ展開 “大河”高杉真宙のギャップも魅力に
ドラマ『となりのナースエイド』(日本テレビ系)が、「コメディとサスペンスが共存する世界観」というのは初回ラスト30秒でのどんでん返しの展開で明示されたが、第2話ではそこにラブコメ展開も上乗せされた、要素てんこ盛りの内容となった。 【写真】澪(川栄李奈)と話す大河(高杉真宙) とは言っても、ラブコメ展開というのは澪(川栄李奈)と大河(高杉真宙)が、星嶺医大内で「付き合っていて、一緒に住んでる」という噂が立つことから。同じ星嶺寮で暮らしているだけで付き合ってもいないが、第1話で早乙女寛治(梶原善)の手術中にオペ室に乗り込んできたナースエイドである澪の意見を執刀医の大河が受け入れたことで、ナースたちの間で“モンスターナースエイド”の異名が一気に広まり、さらにキザで一目をさほど気にしない大河は、同僚の小野夏芽(吉住)や菊池相馬(矢本悠馬)がいる前でも、「一緒に帰らないか?」と澪を堂々と誘うという、勘違いが起こっても仕方がない状態が続くのだ。 夏芽、相馬と飲みに行く先約がある澪に、大河が「そうか分かった。じゃあ、帰ってからな」と告げるものだから、さらに事を荒立てる。事態を理解した夏芽の言う通りに「クソどベタなラブコメ展開」であるのは間違いないが、大河の「俺はお前に興味がある」というセリフには、ベロベロに酔っているということもあってか、鈍感力に定評のある澪でも“愛の告白”としてラブコメ展開のように受け取ってしまったようだ。 第2話にゲスト登場する患者でライブ配信者の“なしもえ”こと高梨萌(恒松祐里)は、ステージ1の膵臓ガン。大河が、患者を救うことを最優先に考える大河の医者としての姿勢がありながら、なしもえのライブ配信はしっかり見ていたり、ガンつけてくる澪(映画『地獄の花園』を彷彿とさせる)に後ろめたさから目を逸らしてしまったり、澪が言っていた「臓器の移植とは、人から人へ命をつなぐ命のリレーです」という言葉を会見で丸々パクったりと、俺様キャラとのギャップも彼の魅力の要素となってきている。 演じる高杉真宙は、大河ドラマ『光る君へ』(NHK総合)にも出演中。つまり、今期は『となりのナースエイド』と『光る君へ』の2作品に姿を見せることとなる。『光る君へ』では主人公・まひろ(吉高由里子)の弟・藤原惟規を演じており、勉学が苦手で、ひょうひょうとした人物。『となりのナースエイド』とは真逆とも言える役柄であり、その分高杉の豊かな芝居を楽しめるということでもある。 コメディとラブコメ、そしてサスペンス。初回のラストに「私は、人殺しです」と衝撃の告白をした澪。それを大河は冗談だとは受け取っていなかった。高梨の女優生命をかけて「絶対に傷を残さない」という澪との約束を守った大河に、澪は過去を打ち明け始める。それは、「私は、姉を殺しました。私の姉は、シムネスだったんです」というさらなる告白。これでいまだ役名すら明かされてない謎の女性(成海璃子)は、澪の姉であることが確定。男性(上杉柊平)は新宿南警察署の刑事というところだろうか。 なお、警告として『となりのナースエイド』は同名小説を原作としたドラマのため、「シムネス」でネット検索することはオススメしない。
渡辺彰浩