仏新内閣発足、社会党系の元2首相起用 中道左派頼みに 政局不安続く 外相は留任
【パリ=三井美奈】フランス大統領府は23日、バイル首相が率いる新内閣の陣容を発表した。中道左派で社会党系の元首相2人が入閣した。バロ外相、ルコルニュ国防相は留任した。 【写真】パリで閣僚との会談に臨むフランスのバイル首相 バイル氏はマクロン大統領を支える中道与党の党首。今月13日、退任したバルニエ前首相の後継者に任命され、組閣までに10日を要した。 新内閣では、オランド前社会党政権のバルス元首相が海外領土相に就任。マクロン政権で今年1月まで首相を務めたボルヌ下院議員が国民教育相となった。少数内閣による政権運営が続く中、バイル氏は2人の起用で中道左派に基盤を広げ、2025年予算案の可決を目指す構えとみられる。初入閣となるロンバール経済財務相も社会党に近く、政府の投資部門である預金供託公庫(CDC)のトップを務めてきた。 バイル氏は新内閣について「全国民と和解し、新たな信頼を得るための経験豊富な集団だ」とX(旧ツイッター)で発信した。 マクロン大統領の与党は下院議席の過半数を割っており、政局は不安が続く。バルニエ氏は保守系で今月5日、下院の不信任決議を受けて辞任。バイル氏は今年4人目の首相となった。