米駐台代表、台湾の平和確保に「日本が米国と共にリーダーシップ発揮」=独占取材
(台北中央社)米国の対台湾窓口機関、米国在台協会(AIT)のレイモンド・グリーン台北事務所所長(大使に相当)が26日、台北市内で中央社の単独インタビューに応じた。2021年の日米首脳会談でバイデン大統領と当時の菅義偉首相が台湾海峡の平和と安定の重要性について語ったことに言及し、台湾の平和と安全保障を支える上で、日本が米国と共にリーダーシップを発揮しているとの見方を示した。 7月に現職に就いたグリーン氏は、駐日臨時代理大使や首席公使として日本に駐在した経歴もあり、中国語や日本語が堪能。1999年の台湾大地震から満25年となった今月21日には日本台湾交流協会の片山和之台北事務所代表(大使に相当)と出演したビデオメッセージが公開され、米日台のいずれかが災害や感染症流行などで困難に直面した際、支援の手を差し伸べ合ったことなどが紹介された。 11年の東日本大震災当時は日本に駐在しており、米軍による「トモダチ作戦」に携わったと振り返るグリーン氏。同作戦は米国として史上最大の災害支援活動だった上に、金銭面での援助を最も多く行ったのは台湾だったとし、日本に対する米台の深い思いやりが示されたと話した。新型コロナウイルスの流行時は台湾に駐在していた。当時、台湾から米国にマスクが提供されたことに「深く感謝している」とし、米国や日本から台湾にワクチンが送られてきたのを見た時にはとてもうれしく感じたと語った。 日本については、台湾が17年に世界保健機関(WHO)総会への参加を拒否された後、米国と共に台湾のために声を上げた最初の国であり、他の国々の後押しにもなったのではないかと評価。21年の日米首脳会談で語られた言葉はその後、各国が話す「共通言語」になっているとし、台湾を支える面において日本が米国と共にリーダーシップを発揮していることの表れだと称賛した。 その上で、半導体サプライチェーン(供給網)の強靱(きょうじん)性や地域の安全維持、台湾の国際社会への貢献などさまざまな分野で、日米が緊密なパートナーシップを維持することに期待していると述べた。 グリーン氏は11月の米大統領選にも言及。台湾の自衛に対する支援強化や「米台教育イニシアチブ」、「米台経済繁栄パートナーシップ対話」などはいずれもトランプ政権(当時)時代に始まり、バイデン政権で強化されたとした上で「11月に何が起ころうともこれらの協力関係は続く」との見解を示した。 (葉允凱、楊堯茹/編集:田中宏樹)