冬物商戦、鈍い出足 石川、富山の百貨店 コートやブーツ充実、巻き返し図る
石川、富山の百貨店で、冬物商戦の出足が鈍くなっている。11月に入っても夏日を観測するなど暖かい日が目立ち、例年であれば10月から動きだす商品も「立冬」の7日に冷え込んだことでようやく売れ始めた。各店はコートやブーツなど流行に合わせた商品を充実させ、低価格で勝負する商業施設との質の違いを前面に出し、今後の巻き返しを図る。 【写真】冬物のブーツが並ぶ売り場=金沢市の金沢エムザ 「暖かい日が続いているので、やや遅れ気味。それでも寒い日が増えてくれば一気に売れ出すはず」 金沢市の香林坊大和の担当者は冬物の売れ行きに期待を寄せる。金沢では3連休最終日の4日に最高気温25・6度を観測し、例年より気温が高めに推移している。それでも7日に今季最低の11・0度と冷え込んだため、ブランド物を中心に少しずつ商品が動きだした。 同店によると、寒さが本格化する前のこの時期はウール素材のコートが人気だ。一定の保温性を確保しながらも軽量で、落ち着いた色合いのデザインが好評だという。特に車を運転しやすい丈の短い商品の売れ行きが伸びており、前年同期比1・9倍の売れ筋となったブランドもある。 立冬を過ぎて羽毛布団の引き合いも出始めており、担当者は「大和でしか買えない商品を用意し、差別化を図りたい」と話した。 ●「コーディガン」好調 富山市の富山大和では、カーディガンとコートの中間にあたる「コーディガン」や薄手のコートなどが好調だ。14~19日には会員カードのポイント2倍となる「冬の感謝祭」を予定し、売り上げ増を狙う。 金沢市の金沢エムザのファッションコーナーでは、新作のコートやブーツを取りそろえる。同店によると、今年は上着に合わせやすい丈の長いブーツが若い人を中心に好まれる傾向にあり、店内の目立つ位置に陳列している。コートではファーやストールが付いた商品への注目が高い。 ●鍋関連もにぎわい 衣料品だけでなく、地下1階の食品売り場では鍋関連の商品がも買い求められるようになった。カニ漁が解禁された6日以降は、鮮魚コーナーがにぎわいを見せた。 担当者は12月のボーナス支給やクリスマスが近づくにつれ、衣料品のほかに化粧品やアクセサリー類の動きが加速するとし「商品を充実させ、商戦を盛り上げてきたい」と意気込んだ。