ヴァレオとローム、次世代パワーエレクトロニクス分野で共同開発
ヴァレオグループとロームは11月26日、次世代xEVインバータの効率性向上と小型化を目指して、次世代パワーエレクトロニクス分野で共同開発することを明らかにした。 両社はトラクションインバータ向けの次世代パワーモジュールの開発を目指すとし、その第1弾として、ロームはSiC(シリコンカーバイド)モールドタイプモジュール「TRCDRIVE pack」をヴァレオの次世代パワートレインソリューションに提供する。 これまでに、ヴァレオとロームでは、2022年から協力を開始し、EV(電動車)やPHEV(プラグインハイブリッド)の推進システムにおける重要な部品であるトラクションインバータの性能と効率向上を目指した技術交流を行なってきた。両社は、パワーエレクトロニクスの改良による冷却の最適化やメカトロニクス統合で放熱性を改善し、高効率を実現することで、コストパフォーマンスの適正化を図るとともに、SiCパッケージの採用により、システム全体の信頼性も向上させるとしている。 こうした進化は、航続距離の延伸、高速充電機能、そしてBEVやPHEV用の高性能かつリーズナブルなインバータを求める需要に応えるためのもので、ヴァレオでは2026年初頭にプロジェクトにおける最初のシリーズを供給開始する予定。 ヴァレオパワー部門CEOのXavier DUPONT氏は「この提携は、ヴァレオのパワー部門にとって、先進的かつ高効率なパワーエレクトロニクスの提供における重要な前進を意味します。両社はともに、高電圧インバータの新たな業界標準を確立することで、より効率的で安価な電動モビリティへの移行を加速させることを目指します」とコメント。 ROHM Semiconductor GmbH社長のWolfram HARNACK氏は「ロームのパワー半導体が、自動車部品で業界をリードするヴァレオをサポートできることをうれしく思います。ロームのTRCDRIVE packは、高い電力密度を実現し、電力効率の向上に貢献します。ヴァレオとの協業を通じて、高効率なパワートレインの開発に貢献してまいります」とコメントしている。
Car Watch,編集部:椿山和雄