「忙しいから後にして」親が子どもの発達のバランスをくずす言動を無意識にしている
---------- 近年、「発達障害」といわれる子どもが急激に増えています。「発達障害」の言葉が広まった結果、大人が理解できない子、大人の期待どおりに育っていない子、扱いづらい子などが、「発達障害」ではないかと疑われていないでしょうか。「発達障害のような症状」が現れる原因はどこにあるか、今の困りごとへはどう対処するか、どう育てていけばよいか、をくわしく解説した『子どもが「発達障害」と疑われたときに読む本』から、いくつかの章をご紹介します。 「ゲームしてるなら寝なさい」はNG! 子育ての指針で一番大切なことは? 前編記事<「ゲームしてるなら寝なさい」はNG! 子育ての指針で一番大切なことは? > ----------
発達のバランスをくずす言動に注意
親が子どもに言ったりしたりしていることが、脳の発達によくない影響を及ぼしていることがあります。例えばつききりで宿題を手伝ったり、「片づけなさい」と強く言ったりしていませんか。 子育ての軸から考えると、宿題をしなくても、片づけができなくても、子どもの生死にはかかわりません。子どもに任せましょう。 かける言葉にも要注意です。そのつもりがなくても、子どもを否定していることがあります。また、子どもの前で担任の先生を批判しないように。親が認めていない先生と毎日会うのは嫌でしょう。ほかの家族の悪口も同様です。 ■幼児期には 脳を育てる順番(※脳を育てる順番についてはこちらの記事を参照)を間違えていませんか。幼児期に神童といわれた子どもが、小学生以降に挫折して立ち上がれなかったり、からだの不調が出たりするケースが、後をたちません。
疲れた脳が「発達障害」のような症状をひき起こす
■小学生になると 勉強はおりこうさんの脳を刺激しますが、勉強だけでは、おりこうさんの脳は十分に育ちません。また、疲労がとれないと、からだの脳やこころの脳も発達が阻害されます。 ■脳の発達をアンバランスにする言葉 心配や励ましのつもりの言葉が、子どもを否定していることがあります。日ごろ、言っていないでしょうか。 ・「そんなことも知らないの」→認められていない…… ・「根性が足りない」→根性ってなんだろう ・「どうして〇〇したの」「どうして〇〇しなかったの」→理由を聞かれても…… ・「忙しいから後にして」→きっとくだらないことなんだ…… ・「あなたのためを思って言うのよ」→自分の気持ちや考えは取るに足らない?
成田 奈緒子(発達脳科学者)