「失敗を怖がって行動できない」人に伝えたい事 『女性の品格』の坂東眞理子さん「挑戦して気付くこともある」
ほんの小さなことからでいい。「自分に何かできることはあるかな」と考え、少しだけ利他的に行動する。それが、自分にも多くのよろこびや、幸せをもたらしてくれる――。 新著『与える人「小さな利他」で幸福の種をまく』では、『女性の品格』の著者、坂東眞理子さんが、自分中心主義からちょっと離れ、周囲や他者の問題にもう少し目を向けることがいい人生をつくるコツだと説きます。 【漫画】無神経すぎる人に「ちょっとだけ」言い返す技術 本稿では、同書から一部を抜粋、編集してお届けします。
■人生「8勝7敗」のすすめ 大相撲は一場所15日、それぞれの場所で8勝7敗だと「勝ち越し」です。それを続けていけば昇進します。 どんなに強くても15勝全勝はとても難しく、優勝力士でも13勝ほどです。野球選手の打率も3割行けば上々。あの大谷翔平選手だって7割は三振したり、凡打で打ち取られたりしているのです。 人生も同じだと思います。 うまくいったことと、うまくいかないことが混在するのが人生。だから、うまくいったことが、うまくいかなかったことより少し多い程度でも十分に幸せなのではないかと思います。
うまくいったことばかりで、何も失敗しない人生はあり得ませんし、失敗しないのはリスクを取っていない、つまり、うまくいく可能性の高いことしかしていないということです。 失敗したらおしまいだ、失敗しないようにしなければ、という気持ちが強すぎると、小さく縮こまった人生になってしまいます。 失恋が怖いから恋愛しない、離婚するのが怖いから結婚に踏み切らない、落第するのが怖いから試験を受けない、業績評価が怖いから外資系企業にはいかない、落選が怖いから選挙に出ない、事故が怖いから旅行に行かない、倒産が怖いから起業しない、という人はたくさんいます。
たしかに、チャレンジしなければ失敗はないし、安定した生活が維持できるかもしれません。 また、失敗すると周囲に迷惑をかけてしまう、人に迷惑をかけないようにしなければならないから失敗する可能性のあることには手を出さない、という人もいます。 しかし失敗して迷惑をかけても、そのあと倍返しで、かけた迷惑を取り戻すこともできるのです。チャレンジしてはじめて、それまで気がついていなかった自分の力に気がつくこともあります。