「毎回6~8時間待たされる」「ラベル貼りをやらされた」運送業界の過酷な実態 トラックGメンが監視強化 物流の2024年問題
労働時間の上限規制によって、ドライバーが不足する「物流の2024年問題」について、働き方改革と荷主の板挟みになる運送業界を支援しようと、国土交通省は総勢162人のトラックGメンを配置しました。 【写真を見る】「毎回6~8時間待たされる」「ラベル貼りをやらされた」運送業界の過酷な実態 トラックGメンが監視強化 物流の2024年問題 このうち大分運輸支局の輸送・監査部門に勤務している宗像将徳さんと西崎修翔さんの2人は今年7月から「トラックGメン」に任命されました。 (トラックGメン・宗像将徳さん)「2024年問題を目前にしたときにトラックGメンという形で監査とは別に荷主を管理・監視する」 ■法令違反が改善されない場合は「勧告・公表」に 「2024年問題」は、ドライバーの長時間労働が常態化している運送業界で、来年4月から労働時間の上限規制が設けられ、この規制によりドライバーが不足し物流への影響が懸念されることです。 (県トラック協会・仲浩会長)「仕事は非常にたくさんあるんですけど、実際はそれを担うドライバーが減ってきている。現場としては100時間以上の残業をしている人が多いので、残業を減らそうとすると人が足らない。多分、数年後には今ある物流が運べなくなる」 トラックGメンは運送事業者の労働環境を改善させるため、「荷主」への監視体制を強化しています。ドライバーへの無理な要望を情報収集していて、法令違反につながる疑いがある場合は荷主に対して、「働きかけ」「要請」を経て、改善されない場合は「勧告・公表」に踏み切ります。 (宗像将徳さん)「荷主に働きかけをするかしないか、相手の意志にも左右されるんですよ。自分のところがチクったと言われると取引を止められる可能性がでてくるので、相手の荷主がどこかという情報は漏れないように注意しないといけない」 もうひとつの特徴が「プッシュ型」の情報収集です。これまでの相談を「受ける」立場から、自ら出向く「攻め」の立場で情報収集力を強化しています。全国では今年10月までに荷主への要請が10件、働きかけが251件に上っていますが、県内では今のところ対応事例はありません。