「髪の毛」から子どもが?──iPS研究で“世界初”の進展 「不妊症」「生命」のナゾ解明に期待 死者から誕生も?…未来の心配は
■「受精」は? 求められる議論
小栗委員長 「では、いつ頃実現するのか。この分野の研究をリードする1人でもある大阪大学の林克彦教授によると、技術的にはあと5~10年で受精させられるような精子や卵子ができるようになる可能性があるといいます」 藤井キャスター 「こういった分野では、5年や10年はかなり早いように思えます。その一方で、髪の毛から精子や卵子ができるということになれば、いろいろ議論が必要な部分も多いのではないでしょうか?」 小栗委員長 「その通りです。林教授によると、あくまで未来の話ですが、例えば好きな著名人の髪の毛を入手して子どもをつくることもできてしまうかもしれません。遺伝子を売る商売や、亡くなった人からも子どもが誕生するといったことも理論上は可能性があるといいます」 藤井キャスター 「正しく使うために歯止めをかけるルールなどの議論も必要だと思いますね」 小栗委員長 「現在、日本ではiPS細胞から精子や卵子を作り出すことまでは認められていますが、受精させることは禁止されています。内閣府の生命倫理専門調査会は将来どこまで認めるのか、今まさに議論しているということです」 波瑠さん 「素晴らしい技術だと思いますが、遠い未来のことだと思っていたので想像がつかないといいますか、少し怖いなという思いもあります。技術が進歩するのと一緒に、命の大切さも考えていければいいですね」 (5月21日『news zero』より)