日本抜く勢い? インドネシア「第4次産業革命」の凄い“現状”、10の国家優先課題とは
「Making Indonesia 4.0」とは? 注力する産業セクターは?
そんなインドネシアの工業省は2018年4月、第4次産業革命実現のためのロードマップである「Making Indonesia 4.0」を発表しました。 すでに、インドネシアは経済の好循環をもたらすサイクルの実現に成功しており、そうした取り組みはインドネシアを世界有数の経済大国に押し上げ、インドネシアの名目GDPランキングは2023年で16位となっています。 「Making Indonesia 4.0」では、これをさらに押し上げ、2030年にはGDPランキング世界10位以内に入ることをその目標としています。「Making Indonesia 4.0」では、そのために、下記の取り組みを推進するとしたほか、重点対象として以下の5つの産業セクターを挙げています。 ■ Making Indonesia 4.0で掲げられた取り組み ・GDPに対する純輸出の割合を10%向上 ・コストに対する生産性を2倍に向上 ・GDPの2%をR&Dに割り当てる ■ 重要視する産業セクター ・食品・飲料(Food & Beverage) ・テキスタイル・アパレル(Textile & Apparel) ・自動車(Automotive) ・エレクトロニクス(Electronics) ・化学(Chemical) たとえば、自動車については、「Indonesia’s Automotive 4.0」という戦略を策定しており、その重要な目的は、新技術の導入と高度に発達したインフラを通じて、原材料と主要部品の生産量と効率を高めることにあります。この推進のためには、統合産業集積地の創設と物流基盤の効率向上を進めるとしています。
評価指標でわかる?「Making Indonesia 4.0」の進捗
インドネシア工業省は2019年4月にはインドネシアの企業の「Making Indonesia 4.0」の取り組みや達成の状況を測る指標として「INDI 4.0(Indonesia Industry 4.0 Readiness Index)」を発表しました。このような指標を導入することで、企業の自主的な取り組みを促すとしています。 INDI 4.0の評価対象項目は、組織構成、従業員、技術、製造プロセス、プロダクト・サービスの5つであり、企業はこれらを1~4段階で自己評価します。 インドネシア工業省は評価基準には300社以上が参加しており、平均して2.5点から2.6点を獲得しているとしています。 一方、どのような業種の企業が参加しているのかといったことや、どの程度の規模の企業が参加しているのかといったこと、また、デジタル技術を活用した生産に向けた次のステップはどのようなものなのかといったことについては、公開しないとしています。