スイッチオンの瞬間「くさっ!」 クルマのエアコンの臭いはどうすれば取れる?
エアコンフィルターの装着で汚れにくくはなったが……
スイッチひとつで快適な車内をキープしてくれるオートモードが普及したこともあって、今やエアコンは夏だけのものでなくて、1年中つけっぱなしだったりする。快適という点では、悪臭の発生は確実に減っていると言っていい。その昔であれば、新車時には新車っぽい臭いが出てきたし、しばらく使っているとカビ臭い、スエた臭いが漂ってきて耐えられないこともあったほどだ。 【写真】クルマのフロントガラス、どうして曇る? エアコンからの悪臭の原因は内部に入り込んだゴミや枯れ葉、虫の死骸などが腐敗して発生するもので、当然のことながら健康にも非常に悪い。現在では、内部への異物侵入を防ぐためのエアコンフィルターの装着が進んだことでかなり改善しているし、またプラズマクラスターやナノイオンなどの悪臭の元自体を破壊して無臭にする装備が付いていることも多くて、エアコンのクリーンさは確実に向上している。 ただし、それでも完璧かというと、たまに臭ってくることがあって気になるというか、不快になることも。原因はやはり内部の汚れやゴミなど。最大の関門としてフィルターが装着されていても細かいものは入り込んでしまうし、そもそもフィルターの点検・交換を定期的にしていないと目詰まりしたり、横のすき間からもゴミは入ったりすることがある。 エアコンフィルターを抜けた先、センターコンソールの内側には冷気を作るエバポレーターと呼ばれる、細かい網状の部品がある。小さなラジエーターをイメージしてもらえればいいのだが、細かい故に汚れが溜まりやすくて、これらが悪臭の原因になるわけだ。結局は大小の差はあれ、昔から状況は変わらないと言っていい。
フィルター交換や通常の掃除でもダメならエバポレーター洗浄!
対策としては、すでに触れたエアコンフィルターの定期的な交換が基本。走る場所によるが、2万kmぐらいでかなり汚れることもある。取り外しや交換は簡単でDIYでできるし、フィルター自体も高くないので、まずは確認してみるといいだろう。 吸入されるダクトや配管まわりも汚れていることがあるので、拭いておく。分解して完全にクリーニングすることはできないものの、届く範囲でいいのできれいにする。エアコンフィルターを取り外すと奥に手を入れられるので、届く範囲できっちりと拭いておく。またエアコンの吹き出し口も綿棒などを使って、できるだけ奥まで拭いておこう。新車から時間が経っている場合はけっこう汚れていて驚くほど。さらに外気導入の取り入れ口はワイパーの付け根。また内気循環は前席の足もとにあるので、それぞれまわりを拭いたり、ゴミなどがあれば取り除いたりしておく。 それでもまだ臭いが気になるなら、エバポレーター洗浄だ。スプレータイプの専用ケミカルが売られているのでDIYでも可能だし、自信がないならディーラーやカー用品店でもクリーニングメニューがあるので利用するといいだろう。方法は簡単に言うと洗浄剤を内部の奥まで送り込み、洗い流すというもので、エアコンから出る水の管から汚れが排出される。この際に見てみると真っ黒なものが出てくることがあって驚くほど。こちらもそれほど高くはないので、気になる人はぜひ試してみるといいだろう。
近藤暁史