日本で製造される「ジャパニーズウイスキー」が、いま世界的に人気が高まっています。 輸出額が年々増加する中、日本の蒸留所がこぞってメインターゲットと位置付けるのが台湾市場です。 県内で唯一、ウイスキーを製造する蒸留所、台湾でのトップセールスに密着しました。 先月、金沢市で開かれた北陸最大級のウイスキーの祭典。 蒸留所やバーなどおよそ50店舗が出店し、多くの愛好家が詰めかけました。 ＊来場者は 「限定ボトルが欲しくてきた。ウイスキーを追いかけているので」 ＊来場者は 「まだ商品を出していない蒸留所も出店していたりする。商品を出す前から応援できる目をつけられるところが魅力の一つ」 世界で人気が高まるジャパニーズウイスキー、市場も急速に成長し、国内のウイスキー蒸留所の数はこの15年で8カ所から100カ所あまりに増加しました。 ＊若鶴酒造　5代目　三郎丸蒸留所　マスターブレンダー　稲垣貴彦さん 「きょうはどこから来られた？」 ＊来場者 「栃木県から。三郎丸が大好きなので」 イベントに出店した砺波市の三郎丸蒸留所。 砺波市の若鶴酒造を母体とする、国内では珍しい、スモーキーな香りと味わいが特徴の蒸留所です。 富山で唯一のウイスキー蒸留所は、実は、台湾で、その人気に火がつき始めています。 日本とも深い結びつきのある台湾。日本のウイスキーへの熱が高まっていました。 ＊リポート 「桃園市内のホテルで開催されているウイスキーのテイスティングイベントです。 会場はものすごい熱気です」 会場には、前日、金沢のイベントに参加していた若鶴酒造の五代目で三郎丸蒸留所マスターブレンダーの稲垣さんの姿がありました。 ＊若鶴酒造　5代目　三郎丸蒸留所　マスターブレンダー　稲垣貴彦さん 「スペシャルボトルの手土産。お気に入りのミズナラで熟成させたもの」 挨拶を交わしていのは、台湾の輸入業者の代表。そのブースには、三郎丸のウイスキーが並んでいました。 ＊若鶴酒造　5代目　三郎丸蒸留所　マスターブレンダー　稲垣貴彦さん 「（マイケル社長は）ウイスキーマニアであり、三郎丸のウイスキーファンとして広めていただいて多くのファンを台湾につくってくれている」 三郎丸蒸留所は2015年からウイスキーの輸出を始めました。 現在、輸出額は当時の40倍に拡大したが、シェアの7割は台湾が占めています。 現地のウイスキー愛好家や業界関係者が稲垣さんを大歓迎 台湾の蒸留所カバランのブースでは… ＊若鶴酒造　5代目　三郎丸蒸留所　マスターブレンダー　稲垣貴彦さん 「ベリーナイス。おいしいです。好喝（ハオカー）」 ＊若鶴酒造　5代目　三郎丸蒸留所　マスターブレンダー　稲垣貴彦さん 「カバランという台湾のウイスキーの蒸留所。すごくいいウイスキーを作っていて、世界一に何度もなった蒸留所。なので台湾はウイスキーの文化もあって、生産もされている場所」 ウイスキー文化が根付く台湾、いま、日本の蒸留所やメーカーはこぞって進出拡大を狙っています。 ＊篠崎　新道蒸溜所（福岡県）篠崎倫明社長 「東アジアのウイスキーの中心地の一つと言ってもいい場所、この場所でしっかりと自分たちがやっていること、クラフトの現状を理解してもらうことがさらに市場に伝播していくきっかけになる場所だと思っている」 ＊新潟小規模蒸溜所　亀田蒸溜所（新潟県）堂田浩之社長 「日本国内だけだと少子化の影響があり、人口は減っていくので、台湾の人は日本の物が大好きで、話をしても好意的に受け止めてくれて台湾で自分たちの製品が少しでも飲んでもらえるとうれしい」 世界的なブームで急増した国内の蒸留所、いわばライバルが増えるなか、三郎丸のウイスキー作りに対するこだわりを直接、現地の人に伝えたい… 今回、稲垣さんが台湾を訪れた一番の理由です。 稲垣さんは、この日、ウイスキーのセミナー「マスタークラス」の講師を担当。 今年6月に発表した新製品、シングルモルトシリーズの第5弾を提供し、原料に用いるピートの違いによる香り、味わいの変化や、自らが開発した蒸留器を使ったウイスキー作りについて紹介しました。 ＊来場者は 「三郎丸は、ジャパニーズウイスキーの中でもいい蒸留所でおいしいと思った」 ＊若鶴酒造　5代目　三郎丸蒸留所　マスターブレンダー　稲垣貴彦さん 「直接お客さんとお話しできて味をみていただく機会は貴重、ボトルもたくさん買っていただいてサインも求めていただいてうれしい」 そんな稲垣さん、台湾滞在中に、ウイスキー事業を手掛けるきっかけとなったボトルと運命の再会を果たしました。 ＊若鶴酒造　5代目　三郎丸蒸留所　マスターブレンダー　稲垣貴彦さん 「907万6000円…」 世界に打って出る富山のウイスキー。 そのきっかけとなったボトルとは…。