立浪監督の「野手の目利き」は確かだった? 中日の“二遊間論争”に決着をつけた村松開人23歳「いきなり打率2位浮上」激変のきっかけ
「二遊間論争」に決着
硬い打感で「はじき」を出すバーチに対し、ホワイトアッシュは「しなり」をもたらす。広角に打ち分ける村松には、ホワイトアッシュの方が適していると、和田コーチは判断したのだ。打撃フォームも思考法も道具も見直した。そこから2年目の躍進がスタートした。 2年連続最下位に沈んでいる立浪ドラゴンズ。その象徴と見られてきたのが、どんぐりの背比べだった二遊間だ。1年目(2022年)を終えて京田陽太(DeNA)、阿部寿樹(楽天)をトレードで放出。再構築するために、自ら東京六大学リーグに足を運び、ドラフト指名したうちの1人が村松だった。 ところが村松は期待したほどの成績を残せず、6位で指名した田中幹也(亜大)はオープン戦中に右肩を脱臼し、手術。シーズンを棒に振った。そのため、ファンや野球評論家からはトレードで放出したところまでさかのぼって、球団の判断を厳しく問う意見が多く出た。しかし、いずれも「即戦力」とはいかなかったが、2年目には大きな戦力となっている。
二遊間で呼び込んだ1勝
村松がショートを守り、セカンドは田中。小柄な体で素早く動き、間一髪で走者を刺す。「青い忍者」と呼ぶにふさわしい活躍である。そんな若き二遊間が堅守で呼び込んだ勝利がある。 5月19日のDeNA戦(横浜)は、3試合続けての1点差ゲームとなった。セットアッパーの松山晋也が登板した8回は、3安打を浴びて1点差に迫られ、なおも一死一、二塁というピンチになった。ここでDeNAは代打に勝負強い大和を起用。その打球は低く、強く村松を襲った。難しいハーフバウンドを逆シングルで抑え、田中に送球。大和も頭から飛び込んだが、併殺打となった。三浦大輔監督がフォースアウトの二塁、ヘッドスライディングの一塁のダブルリクエストに持ち込んだほどのきわどいプレーだったが、どちらも判定は覆らなかった。
モットーは「準備力」
「自分のところに打球が飛んでくる。そんな気がしていたんです。真っ直ぐなら正面に、落ちる球なら少し三遊間寄りに。心の準備ができていた分だけ、うまく処理できたんだと思います」 打ったのはフォーク。予測通りの打球とコースだった。シーズンに向けた長期的準備、試合に臨むための中期的準備、その1球への短期的準備。村松がモットーとする「準備力」。まだシーズンの先は長いが、開幕前は誰も予想していなかった超ダークホースが、セ・リーグのバットマンレースにどこまで食い下がれるか楽しみである。
(「草茂みベースボールの道白し」小西斗真 = 文)
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