カターレ土壇場で追い付く 岐阜に2-2、自動昇格は消える
サッカー明治安田J3第36節は10日、各地で7試合を行い、3位のカターレ富山は県総合運動公園陸上競技場で岐阜に2-2で引き分けた。J2自動昇格圏内の2位今治は勝利し、両チームの勝ち点差が9に広がったため、富山は自動昇格の可能性がなくなった。 富山は後半10分、DF神山がCKを頭で押し込んで先制したが、その後セットプレーで2点を奪われ勝ち越された。追加タイムのラストプレーで、CKのチャンスから主将のMF吉平が決めて追い付いた。 富山は3~6位によるプレーオフに進み、最後の昇格1枠を獲得することを目指す。次節は17日、ホーム最終戦となる八戸戦に臨み、勝てば3位が確定する。 主将吉平、意地の一発 1―2で迎えた後半追加タイム。時間は目安の6分を過ぎていた。富山のクロスが仲間のヘディングでそれ、MF吉平の足元に。吉平は体勢を崩しながら右足でゴール隅に押し込む。主将の意地の一発で勝ち点1を拾ったが、「悔しさが残る」と笑顔はなかった。
後半37分に途中出場後、自身最初の決定機を外した。ゴール前でこぼれ球が足元に来たが、力んでしまい枠外に。「ファーストチャンスも決めていれば逆転できていた」と唇をかんだ。 前節後、オフ明けの練習に丸刈り姿で現れた。9月末から勝利がない苦しい状況の中、「昇格への覚悟を示した。チームの雰囲気が少しでも明るくなれば」と気持ちを新たにした。 前線からの守備と、シュート力が持ち味の高卒10年目。今季はチーム最多の9得点をマークし、2020年のキャリアハイに迫る。練習では人一倍大きな声を出すムードメーカーで、ピッチ内外でチームをけん引してきた。 富山は自動昇格の可能性が消え、プレーオフで最後の昇格1枠を狙うことになった。チームを背負う26歳は「今シーズンの集大成として挑む」と残り2試合を見据えた。(呉人野々子)