戦後最悪の「結婚氷河期」到来――企業情報のプロが読み解く「4人に1人がマッチングアプリで結婚する」最新婚活事情と、“結婚相談所”の倒産が相次ぐ理由
“4人に1人”がマッチングアプリで結婚する時代
――明治安田生命が2023年10月に実施した調査では、1年以内に結婚した夫婦のうち、実に25%が「マッチングアプリ」を出会いのきっかけに挙げています。 「中高年世代からするとビックリするような数字だと思いますが、いまや日本人の“4人に1人”がマッチングアプリで結婚する時代に突入したということです。ここまで急速にマッチングアプリが普及したのはコロナ禍の影響も大きいでしょう。明治安田生命の調査では、マッチングアプリ以外の出会いのきっかけとして、<職場の同僚・先輩・後輩>、<友人・知人の紹介>、<学校の同級生・先輩・後輩>などが上位に入っています。しかし、コロナ禍の“外出自粛期間”を思い出してもらうと、当時、入社したばかりだった若い社員は歓迎会や懇親会も開いてもらえず、リモートワークが推奨されたことで上司や同僚と実際に顔を合わせないケースが少なくなかった。これは大学生も同じです。せっかく大学入学を機に地方から上京したものの、授業は遠隔だし、サークルは活動休止状態。バイト先まで休業に追い込まれ、当然ながら合コンなんて開けない。これでは“出会いのきっかけ”など生まれようがありません。その時期に身の回りで友だちを増やしたり、恋愛を経験したりすることができなかった。こうしたコロナ禍特有の事情も、結婚したい若い人が“周囲の人たち”ではなく、“マッチングアプリ”を頼った一因ではないでしょうか」 ――なるほど。コロナ禍の影響は無視できませんね。 「もうひとつ、個人情報の取り扱いが厳格化された中で育った、いまの子どもたちは中学・高校時代の同級生と卒業後もLINEグループで繋がっていても、どこの大学に進学したか、どんな企業に就職が決まったかということは、相当仲が良くない限り敢えて言わないし、聞かない人が多いそうです。つまり、お互いに個人情報を深く詮索しない、と。そうなると、身近なところで相手を探そうとしても情報に乏しい。その点、マッチングアプリは学歴、年収、身長、体型、趣味嗜好まで、最初から“条件”で相手を探せる。知人などによる紹介から交際(あるいは断る)までの面倒くささのない、コスパやタイパの良さもいまの若者に合っていると感じます」